慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

12月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は12月23日(日)10時より行います。テーマは「戒名」です。戒名の本来の意味、理想的な授かり方をご一緒に学んでみましょう。

彼岸明けの日に「布施行」について考えてみましょう。Part1

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 秋のお彼岸も今日で終わりです。秋分の日をお中日として、その前後三日間ずつ、合計七日間にわたって、仏様の教え、お慈悲を感謝し、ご先祖の供養を行う、日本独自の宗教的慣習です。

 この期間中には、娑婆(此岸)からお浄土(彼岸)へ渡るための、六波羅蜜と呼ばれる六つの修行について、思いを深めることを勧められています。どの修行も、末法の世に生きる凡夫の私たちには、なかなか困難なことばかりです。しかし、困難とあきらめず、仏様への感謝の表現として、できる範囲でさせてもらおうという気持ちが大切です。

 六波羅蜜の中でも、布施行という修行は、いますぐにでも出来る修行です。仏教においては、「布施」はとても大切な思想です。

 布施とは、人にさまざまなものを施すことです。差し上げることです。「もの」と言っても財物や金銭だけではありません。思いやりのある言葉をかけることも、柔らかな笑顔を向けること、電車で座席をゆずることも、皆、「布施」なのです。

 心すべきなのは、「布施」は「お恵み」とは根本的に違うということです。

 「お恵み」は、貰った人がお礼を言わなければいけない行いです。

 しかし、「布施」は、施した方の人が、「布施行をする機会を与えてくださってありがとう。」と感謝する行いなのです。

 例えば、僧侶にとって仏教の教えを説くことは「法施」といって、布施の一つなのです。ですから、お説教を聞きに来てくださる方々には、深く感謝しなければなりません。もし、偉そうに「教えてやる」などという態度の僧侶がいたら、それは明らかに間違った態度なのです。 (Part2 につづく)

◎今日の写真は、大阪市立陶磁器博物館に所蔵されている、鼻煙壺です。嗅ぎたばこを入れておく小さな壺で、いろいろな素材を使って、細緻な模様が描かれているものが多いのです。私は嗅ぎたばこのことは全く知りませんが、この種の壺は大好きで、いろいろな美術館で眺めるのを楽しみにしています。