慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

観音さまの御足に触れさせていただいただく!

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 奈良の長谷寺のご本尊は10m以上もある巨大な十一面観音です。迫力のある美しいお姿で、一般の参拝者はちょうど胸から上ぐらいが拝めるようになっています。

 先日、友人にご紹介いただいて、ある団体の参拝に同行させていただくことができました。数か所の社寺を巡ったのですが、その一つが長谷寺。ちょうど今、ご本尊の特別拝観が行われていました。

 この特別拝観では、観音様の足元でお参りができるだけでなく、なんと(!)その御足に触れさせていただくことが許されているのです。案内して下さった、長谷寺の若い僧侶の方は、「御足にしっかり触れてお願いして下さい。片手でちょっと触るのではなく、両手でしっかり。」と声をかけて下さったので、皆、御足を両手で抱えるように身を乗り出してひれ伏します。

 観音様に助けていただきたいことがある人や、大願を心に秘めている人・・・皆、思いを込めて祈っています。観音様の膝のあたりまで手を伸ばす人もいて、祈りの熱気が周辺にこもっているように思えるほどでした。

 私は、今、何か大きなお願いというものは思いつきませんでした。本堂の修理が大願といえば言えるでしょうが、観音様におすがりするのは、私たちが十分に気持ちを整え、資金的な準備をしてからの事でしょうか。できることをさせて貰ってからのことだと思うのです。

 う~~ん・・・といろいろ考えていたら、後ろの列がどんどん長くなってきてしまいました。まずは、今の状況(慈雲寺に赴任させていただけたことや、健康のことなど)を感謝。そのうえで心に浮かんできたのは、「どうか、寺務所の整理整頓をおっくうがらずにやれるようお助けください。」という言葉でした。

 掃除は僧侶の一生の修行です。掃除がおっくうなどと感じること自体が、僧侶失格・・・ましてや観音様に助けを求めるなど、愚かにもほどがあります・・・う~~ん、でも、本当に掃除のことが目下の最大の悩みなんです。

 観音様の御足はふっくらとして、触れると不思議な温かみを感じました。右足がほんの少しだけ前に出ていて、なんだか動き出しそうでした。