昨日の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を聞きに来て下さった方々の中に、”しんぽちさん”がいらっしゃいました。
「新発心」とか「新発意」というのは、出家を決意し、得度したばかりの修行僧のことです。しんぼっちとか、しんぼち、しぼちと発音する宗派もあるようですが、私が得度したばかりのときに呼ばれた「しんぽちさん」という呼び方(たぶん正式ではないでしょうが)が好きです。
昨日おいで下さった”しんぽちさん”は、まったくの偶然であるお寺に通うようになり、つい最近、そのお寺の尼僧さまから得度を勧められたそうです。
「何度か遠回しに得度を打診されていたようですが、その時は全く気が付かなかった。」とのことですが・・・・これがご縁というもの、機が熟したということでしょう。
この方は、以前に数回、慈雲寺の講座を聞きに来て下さっています。ブログも読んで下さっているとか・・・彼女の出家のきっかけというか、背中を押す小さな力の一つになれたのかも?と思うととても嬉しく思いました。
ゆっくりお話したのは昨日が初めてでしたが、しなやかで健康な心を持った方だと感じました。美しいものに敏感な方だとも思いました。
こういう方が尼僧のお仲間になって下さるなんて、なんとありがたいことでしょう。他宗派で出家なさるというのが、慈雲寺としては少し残念ではありますが・・・・
私は、「尼僧」というものが、女性の生き方の選択肢の一つになって欲しいと思っています。そのために、何かお手伝いできることがあればとても嬉しく思っています。
ただし、出家は何かからの「逃避」であったり、無理やり人生をリセットする手段としてはお勧めできません。苦しみや悲しみの体験は僧侶にとって大切なものですが、そこから逃げて出家しても、続けていくことは難しいのではと思うからです。
今、何か大きな悲しみや困難に直面している方は、まず仏様の教えを受け入れ、仏教徒として生きることから始めてみてはいかがでしょう。そのためのご相談には、いつでも喜んで応じさせていただきます。
慈雲寺の本堂はいつでも開いています。お茶も用意してありますから、どうぞ一服してください。
いつでも自由に写経していただくこともできます。
阿弥陀仏と向かい合って、手を合わせるだけで、心が落ち着き、きっと呼吸が緩やかになってくると思います。
◎今日の写真は伊豆の天城峠にある浄蓮の滝です。