「れいしゅいんそうびせいくんたいし」は、今朝、訃報がメディアで報じられた兼高かおるさんの戒名です。本名のローズからとられたと思われる「薔薇」という文字の入った美しい戒名ですね。
兼高さんは、非常に多くの人々に深い影響を与えた方ですが、私もその末端の一人です。家に白黒テレビしかなかった時代に、毎週見ていた『兼高かおるの世界の旅』は、「旅行ジャーナリスト」という仕事のあることを私に教えてくれました。私が、ライターになったきっかけと言っても過言ではないでしょう。
初めてパンナムの飛行機に乗った時も、兼高さんのことを思い出していました。
10年ほど前に、旅行関係の業界紙の取材で、ほんの短い間でしたが兼高さんにお会いすることができました。すっかり上がってしまった私は、ろくな質問もできずじまいだったのですが・・・彼女の上品な美しさと、凛々しい"老い”の姿は強く印象にのこりました。
その経験もあって、兼高さんが名誉会長をなさっている日本旅行作家協会に入れていただけたときは、ほんの少しだけ兼高さんにお近づきになれたような気がして、とても嬉しく感じました。
兼高さんのように、一つ一つ丁寧に仕事をしていかなければならないと、今、改めて考えています。
今日は静かにご冥福を祈りたいと思います。