慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

お坊さんの会議は「友引」の日がベスト!?

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 「大安」とか「友引」といった、いわゆる暦注は鎌倉時代に中国から日本に紹介されたとされという説もありますが、一般に広まったのは明治に入ってからのことで、決して伝統的な慣習ではありません。また、その起源やその根拠ははっきりせず、宗教的な意味あいも希薄です。ましてや仏教とのつながりなどないと言い切って良いでしょう。

 しかし、友引には葬儀をしないという習慣は今でも強く残っていて、名古屋市でも友引の日は火葬場がお休みなので、葬儀も無し・・・あ、反対か。葬儀がないから火葬場もお休みというわけですね。

 僧侶が何かの会議をおこなうような時は、友引やその前日の夜に設定することが多いのです。友引には葬儀や法事がないし、友引の前の日はお通夜がないということからでしょう。

 仏教と無関係の六曜を仏教葬儀の日として気にするのは、おかしな話なのですが、「友引」という文字から受ける印象が問題なのでしょうね。亡くなった人が知人を連れて行ってしまう・・・というイメージでしょうか?キリスト教のお葬式も友引の日はなしかな?これは火葬場がお休みなので、仕方なくというところでしょうね。

 冠婚葬祭にあたって不吉なことは避けたいという人の心理は、まあ自然なことと言っても良いでしょう。しかし、友引はもともと不吉な意味などありません。六曜における友引の意味は「引き分け、勝負無し」だからです。使われている漢字も、もともとは「留引」。これなら不吉な意味はないでしょう。

 比較的新しい習慣に引かれて、大切なことを見失わないようにしたいものです。

◎今日の写真は京都博物館の明治古都館です。この建物は1895年に片山東熊によって設計されたものです。私はこんな風な和風西洋建築が大好きで、目に付くたびに喜んでいます。片山は東京の旧東宮御所(迎賓館)の設計などもしています。