慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

智慧 (お彼岸の期間中は、「六波羅蜜」について考えてみましょう。Part4)

f:id:jiunji:20190324081325j:plain

 今日でお彼岸の期間も終わりです。通常の年ですと、彼岸明けに墓参に来る方は少ないので、この日にお墓参りをして彼岸中に供えた花を替え、ご先祖への供養を新たにするのをおすすめしています。

 でも、今年は今日が日曜なので、「あ、お彼岸中にお参りしなきゃ!」と駆け込み(?)彼岸供養している人もいらっしゃるようです。

 六波羅蜜の最後は智慧(プラジュニャー)です。この智慧は一切の本来の姿(法性)、本質を見極める智慧です。それによって執着をはなれていくのです。この智慧は、他の五つの波羅蜜の基盤です。

 残念ながら、末法の時代に生きる凡夫の私たちは、このような深い智慧を完成することはほとんど不可能でしょう。しかし、卑下することなく、傲慢になることなく、自分が凡夫であることを自覚することが、末法の時代に生きる私たちの「智慧」と言っても良いでしょう。

 墓参の時は、ぜひお寺の本堂にあがり、阿弥陀様のやさしい、慈愛にみちたお姿を拝んでください。

◎今日の写真は神戸の港の様子です。震災からの復興を嬉しく思いますが、そこから取り残されてしまっている人々の苦しみにもぜひ心を向けていきましょう。