慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

人身受け難し  今已に受く 

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 今朝、お月参りに向かう途中で空を見上げたら、まるで真夏のような雲がムクムクと湧き上がっていたのでビックリ!今日は立夏です。

 12日の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」でジャータカ物語のお話をさせてもらうので、このところ昔読んだ文庫本を取り出して読んでいます。

 仏教では、お釈迦様も前世で何度も生まれかわり、修行を積んできたと考えます。ジャータカ物語で語られるお釈迦様の前世の生き方は、私たち仏教徒が「どのように善き人生をおくるか」をしめしているのです。

 仏教では、人間に生まれてきたということは、とても大切にすべき機会と考えます。華厳経というお経の中に、「三帰依文」として知られる文があります。その最初に説かれているのが、「人身受け難し  今已に受く」という言葉です。

 私たちは、今、人間に生まれたからこそ、お釈迦様の言葉を読み、聞くことができ、阿弥陀仏をはじめとする諸仏の慈悲に触れることができたのです。人間に生まれてきたということ、そのものを深く喜ぶことが、仏教徒としての生き方の第一歩なのです。

 法然源空上人(法然上人)も、『登山状』中で「まさにいま多生広劫をへて、生まれがたき人界にうまれて、無量劫をおくりて、あいがたき仏教にあえり」と述べられています。

 自分はなぜ生まれてきたのか、この人生になんの意味があるのか・・・とふと考えてしまうときこそ、「長い長い輪廻の旅を経て、仏の教えに出会うために生れてきた」と思い出して下さい。

◎今日の写真は、豊川稲荷の境内でみたタイサンボクの木です。