慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

御朱印”ブーム”を考える

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 上の写真は、インターネットの無料画像でご朱印帳の写真を探していたときに見つけました。国書刊行会は、仏教書や古典の原典復刻版を出すので有名な出版社です。う~ん・・・・あなたもブームに便乗しますか?という感じ。まあ、なかなかナイスなデザインだとは思いますが。

 先日、ある神社の取材に行ったら、令和元年の初日に向けて、セッセとご朱印の書き溜めをしていらっしゃるところでした。一枚300円で授与する予定で、200枚は書き溜めておきたいとのこと。その小さな神社にとっては、ありがたい収益になることでしょう。

 さきほどラジオを聴いていたら、令和初日の御朱印を求める人は全国的にたくさんいたようで、明治神宮では、何と10時間待ちの人もいたとのことです。

 御朱印は、神社や寺院を参拝したご縁の印。記念に欲しいという気持ちもわからないではありませんが、10時間も待つ意味は本当にあるのでしょうか?

 先ほどの神社にとって、御朱印ブームは経済的にもありがたいし、御朱印集めだけの目的であろうと、ともかくお参りに来てくれるというのは、宗教心がめばえるきっかけにならないとも限りません。ですから、同じく弱小貧乏寺院の住職としては一概に否定するつもりはありません。

 でもねぇ・・・・慈雲寺は今のところ御朱印は用意していません。時々、「御朱印をいただけますか?」と庫裏を訪ねて下さる方もいるので、気にはなっているのですが・・・うちには弘法大師もお祀りしていますから、弘法様のお姿を写したものをご朱印代わりにしてみようかとも思っています。慈雲寺にお祀りしている弘法様は、とても若々しい、お肌つるりんの愛らしいお姿なので、多くの方に知ってもらいたいという気持ちもあります。

 でも・・・やっぱり‶ブーム”に乗るというのは嫌だなぁ。

 ところで、先ほどのラジオによると、「御朱印」という言葉が定着したのは昭和時代だそうです。それほど長い伝統のある慣習でもなかったのですね。