慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

仏の教えとは・・・七仏通戒偈について

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 昨日、メダカに餌をやろうと雨の中を歩き始めたら、足元が滑りやすくなっていて、転んでしまいました。変に足をかばったので、かえって足首を痛めてしまいました。骨に影響があったとは思えなかったのですが、昨日と今日はじっとおとなしくしていました。夕方になって、少し痛みが引いたのでお医者様へ。幸い、骨に影響はなく、足首のサポーターと、シップ薬を山ほどいただいて戻りました。

 本を読むだけの日というのも悪くはありません。

 今日読んだ本に、「七仏通戒偈」のことが出ていました。この「偈」は法句経に出てくる古いもので、中国でも日本でもよく知られています。

 唐の時代の詩人白楽天が、禅宗の僧侶に「仏の教えとはそもそも何か?」と問うた時、その高僧は「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」と答えたそうです。

一切の悪いことを行なわず 善きことをし 自ら心を浄める これが諸仏の教えである

 私たち浄土教の教えに従うものは、「自らの心を浄める」の代わりに、「人のためにできることをさせてもらう」という教えを受けています。末法の時代にいきる凡夫である私たちは、自らの心を自身の力で浄めていくのは非常に難しいからです。

 しかし、できない自分に気が付いたら、そんな私でもこの身このまま救って下さっている阿弥陀仏の思いに感謝し、何とか自分でできることをさせてもらおうと思うのが、念仏者の生き方です。

 白楽天は「そんな教えは子供でも知っている」と言いましたが、高僧は「三歳の童子でも知っているが、八〇歳の老人でも実行は難しいぞ」と言って去っていったそうです。

◎今日の写真は大阪市立陶磁器博物館で見た、ヨーロッパ王室に伝わっていた水差しです。本当に美しい青でした。