先日、「お坊さん同士はどんな名前で呼び合うのですか?」という質問を受けました。
僧侶も在家の方と同じように、田中さんとか山田さんとか呼び合うのですが、私は以前からこのことに違和感がありました。
「出家」して「家」から出ているのに、家の名前で呼び合うのって変じゃないですか?まあ、浄土真宗の方々は親鸞さまの時代から家族を持っていらしたので、「大谷家」というような名前を背負うのは当たり前ですし、明治以降は多くの僧侶が結婚して家族を持つので、「苗字」から離れられないのは仕方がないのかもしれません。
でも、私たちは出家したときに僧名を師僧からいただきますし、一応の修行を終えたら「名号」を授けられる宗派も多いでしょう。
例えば、慈雲寺の属する浄土宗の西山派は、宗祖の法然房源空(法然上人)以来、「空」の字を師から弟子へと受け継いできました。源空から西山派の流祖證空に受け継がれ、末弟のさらに末である私も「コウクウ」という空号をいただいています。私の「コウ」の字はとても特殊ですぐに出てこないのが情けないですが・・・鳥が羽をバタバタさせて飛んでいる状態を表す漢字です。ちなみに、羽を伸ばしてスーッと飛んでいる状態は「翔」です。
せっかく源空さま(法然上人)から続いている名前をいただいたのですから、僧侶は「空号」で呼び合ったらどうかと思うんですが・・・源空さまの時代には、どんな名前で呼び合っていたのでしょうね。
ちなみに有名な法然上人の『一枚起請文』の最後も「源空」とサインが入っています。
◎今日の蓮は一宮市にある浄念寺に咲いていたものです。