慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

京都アニメーションの犠牲者を悼む

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 昨日、ようやく10日分ほどの新聞をゆっくり読み直すことができました。今回の選挙の結果には、いろいろと考えさせられるものがあったので、「後でゆっくり」と思っていたら山のようになってしまったというわけです。

 最近のニュースで最も心が痛んだのは京都アニメーションの放火事件です。ニュース伝えられた日に、犠牲者の方々のためにご供養の読経をさせていただきましたが、犯人の動機など、新聞記事だけでは、まだわからないことが多く、テレビのワイドショーの取り上げ方には違和感が深まるばかりです。

 私はカナダにいたとき、日本のアニメを北米のテレビ局で放送するための翻訳をお手伝いしたことがあります。日本語から英語に直したものをチェックするだけの、ほんのさわり程度の仕事でしたが、アニメの制作に携わっている人々の多くが、けして恵まれた環境や待遇で仕事をしているわけではないことは容易に想像できました。

 京都アニメーションは業界でも評判の良い会社だったそうですが、建物の構造や避難経路、セキュリティなどは万全だったのでしょうか?

 一方、犯人については「統合失調症の患者だ」という情報がネットで流れ、ワイドショーなどでは、彼がどれほど異常だったかを強調するような取り上げ方が続いています。このことで「統合失調症」への誤解が広がらないかと危惧しています。

 心を病んでいる方たちや、心が傷を受けている方たちに寄り添うのも僧侶の役割の一つです。宗教者としての覚悟はもちろんのことですが、病気への知識を深めることも大切だと改めて考えているところです。

◎今日の写真はエクアドルで見た蘭の花です。