慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

上質の人生・・・か??

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 先日、慈雲寺のポストに「Quality Life」というタイトルの冊子が入っていました。どういう意味のタイトルか、ちょっとわかりにくい。「上質の人生」とでも訳しましょうか?

 冊子の中身は広告です。その組み合わせがなんとも興味深いものでした。表紙は外国の車がカリフォルニアのような海岸の道を走っています。もちろん車線は右側。

 最初のページは1億4000万円の邸宅。車庫は三台分とってあります。ちゃんと仏間らしき畳敷きの部屋があるのが名古屋らしい?

 次はタワーマンションベントレーロールスロイスの宣伝・・・そして最後のページは機械式の納骨堂。完全バリアフリー&庭園付き93万円より。年間維持費はたったの(!)1万2000円です。ちなみに、慈雲寺のお墓の管理費は3年間で7000円です。ま、慈雲寺はバリアフリーじゃないし、冷房もないですが・・・広々した庭園+メダカの池有りです。

 マンション、外車、そして高級感溢れる納骨堂・・・これが上質の人生の必需品ということでしょうか??車にもマンションの宣伝にも人影が一切映っていないのが、ちょっと微妙でおもしろいところです。

 納骨堂の宣伝には車いすに乗った老女とそれを押す息子夫婦、そして孫一人・・・この「上質人生」のイメージ、ちょっと怖い。

 たくさんの子供たち、孫たちに囲まれて、代々のご先祖のお墓参り・・・というイメージにはならないのでしょうか?ま、孫が多ければ、ロールスロイスよりキャンピングカーが欲しくなるかもしれませんね。ちなみに、友人が持っていたベンツのキャンピングカーは、すんばらしいお値段ですが、長距離ドライブも宿泊もとても居心地が良いものでしたよ。

 謎は、この高級冊子が、なでぜ慈雲寺のような貧乏寺に送られてきたのかということです。寺院にもれなく送っているのなら、まだ「坊主丸儲け」の伝説に踊らされている広告会社があるということでしょうか?マーケティングの能力を疑うところです。

◎今日の写真は淡路島のとある高級ホテルのテラスです。