慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

台風19号の犠牲者を悼む

f:id:jiunji:20191018094709j:plain

 上の写真はインターネットからお借りした狩野川台風の時の写真です。昭和33年に1300名近くの犠牲者を出した台風です。

 当時、私は東京の石神井川の近くに住んでいました。石神井川はまだ土手で、私の家の近くの橋だけがコンクリート製でした。水嵩が増してくると、木の橋は流され、そのコンクリートの橋で次々とせき止められました。その結果、石神井川は決壊し、周辺の住宅は床上まで浸水しました。父は単身赴任で新潟にいましたから、小学生と幼稚園児を抱えた母は、一人で水と戦っていました。

 その時のことは、怖くて、あまり思い出したくない・・・母がその話をするたびに、私は「よく覚えてないなぁ・・・」と話しを逸らせてしまうほどです。

 今回の台風19号でも、石神井川の水位はかなり上昇したようですが(ネット上の地図では、危険を示す赤色になっていました)、どうやら無事でした。

 しかし、千曲川の決壊の写真などをみると、狩野川台風の時の恐怖がよみがえってきました。このところ、毎朝犠牲者の方々を御供養する読経をさせていただいていますが、まだ行方不明の方もいると聞き、ご家族の方々の心中を思うといたたまれない気持ちです。

 狩野川台風伊勢湾台風の時の犠牲者のことを思えば、日本の治水事業は「成功している」と言って良いと思います。しかし、犠牲者は一人でも多すぎる・・・台風はこれからも毎年来るでしょうし、温暖化によって大型化するという説もあるといいます。

 治水、防災の技術向上、避難体制の見直しなど、多くの問題があると思います。

 大きな建物(重い屋根瓦のある寺院)を預かる私も、防災についてすべきことが山積みです。でも・・・・問題は資金でしょうか?嘆くより、今できることを探すのが先ですね。