慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

こんな時だからこそ、仏教を学んでみましょう。 Part1 「仏教の教科書」

f:id:jiunji:20200408222518j:plain

 「不要不急の外出をひかえましょう」と呼びかけられて、なかなか外にも出かけにくい日々ですね。別に外出がしたくなくても、「ひかえろ」と言われると窮屈なものです。自分のやりたいこと、自分の人生を自分でコントロールできない状態というのは、今回の問題だけに限らずストレスの原因になるものです。

 しかし、たとえ強制的な外出制限が出ても、病気のように身体的その他の状況で外出できないときでも、人間の想像力や心は自由自在に飛び回ることができます。世界中どこでも、宇宙や十万億土のどこへでも精神の翼を広げて飛ぶことができます。誰にも強制することはできません。

 心のコントロール、心の制御は仏教の発生時点からの関心事でした。それは、私たちを「苦」から解放し、本当の自由を得ることができる道を示すものだからです。

 さて、今月は「不要不急の外出」の代わりに、心の旅に出てみましょう。「いまさら、こんなこと聞けない」と思うような、仏教の基本の基本をもう一度おさらいしてみたいと思います。

 

 最初に手掛かりとなる入門書選びです。今回は洋泉社のムック本の一つ『仏教の教科書 仏教って何ですか?』を使ってみようと思います。

 この雑誌タイプの本は、100ページほどの薄い本で、イラストや写真もたくさん。でも、「仏教って何ですか?」という根本的な質問から、キリスト教イスラム経との違い、日本の仏教宗派の違い、戒名とは何かまで、仏教の大枠を俯瞰するにはおすすめの本です。しかも値段は1000円!と、とてもお得。

 「この際だから、もう少し頭の体操をしたい」という方にお勧めなのは、大正大学の仏教学の基礎講座の教科書として編纂された『仏教とはなにか その思想を検証する』という本です。これは大法輪閣の発行で、一般書店でも売っています。

 こちらの本は、もともと教科書ですから、ムック本より読みこなすのはやっかいですが、仏教の思想史的は発展を把握するにはお勧めです。巻末に仏教の入門書としておすすめの本がずらりと掲載されているものありがたいです。

◎今日の写真は岐阜県高山の古い町並みです。