慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

11月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、11月21日10時より行います。テーマは「極楽のガイドブック、浄土三部経ってなんでしょう?」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

お位牌について相談を受けました。 Part 2

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沖縄の伝統的なお位牌を描いたイラストです。ご先祖の戒名が並べて記されます。

 ご主人が急死なさって、心がまだ少しも落ち着かないうちにお位牌を用意しなければならなくなったAさん。立派なお位牌が出来上がりましたが、どうもしっくりこない。ご主人単独でなく、夫婦二人用の位牌にすれば良かったと後悔しきりだというご相談を受けました。

 お位牌のデザインは、上に上げた沖縄のような伝統的なものから、ガラスに美しい花模様の入ったものなどまで、さまざまですから迷ってしまうのも仕方がないでしょう。

 

 どうしても、それにこだわって哀しみが癒えないなら、思い切って替えるのもありだと思います。しかし、なぜこだわっているのか、その原因をしっかり見つめないと、新しい位牌に替えてもまた同じようなモヤモヤした気持ちが起きてくるかもしれません。

 

 お位牌やお墓に、故人の「魂」が閉じ込められているわけではありません。では、お墓やお位牌はなくても良いのでしょうか?

 私はお墓やお位牌は、とても大事なものだと思っています。私たちが故人を偲ぶとき、お墓やお位牌は、私たちの思いを集中させる「焦点」です。その焦点がぴたりとあったとき、私たちの思いと極楽で修行をしているご先祖たちの思いとの縁が深まっていくのです。この意味では、そこに「魂」があるとして大切にするのもうなずけます。

 また、お墓やお位牌は「窓」のようなものだと考えてみても良いと思います。本来、空はどこからでも見えるはずですが、私たちは壁に囲まれた家の中に閉じこもって、なかなか美しい青空や輝く月を眺めることができません。

 しかし、そこに窓があればどうでしょう?私たちは美しい空を眺め、心地良い風を取り入れることができます。窓は空そのものではありませんが、私たちと空を結んでくれるものです。窓のガラスを磨き、金具を錆びないように手入れし、窓枠の保持も大切にしていれば、私たちは心地よく空や月を眺められます・・・

 窓は、「仮」のものではありますが、そこから眺められる空との縁が深まれば、仏さまやご先祖の思いを知れば、「仮」と「真」は一つになっていきます。

 仏像も同じです。仏像の姿の向こうに広がる壮大な仏の世界を拝み、仏の慈悲を受け止めようとすれば、木や金属でできた「仮」の仏さまと、「真」の仏様が一つになって、私たちとのご縁が深まるのです。

 

 Aさんの相談への結論ですが、お位牌を替えることは可能だけれど、「しっくりこない」気持ちの原因をしっかり見届けてからにしてはどうかとお話しました。

 

 今のお位牌は本当に嫌なのか?しっくりこないことは、夫婦二人用の位牌でないと、死後に寄り添えないような気がするのか?夫を失った悲しみ、寂しさを位牌の問題に転嫁しようとしているのではないか?

 

 もやもやした思いの「根」は一つではないかもしれませんが、あわてずにゆっくり考えてみてはどうでしょう?

 

 一つ、大事なのは、お位牌を新しく作るときは、自分の目で実物を見て決めるのがおすすめです。カタログやネットの通販というのは、慌しい時に便利ではありますが、実際にその位牌を手にしたり、目で眺めたり、そして心に響くものがあるかどうかで決めるためには、やはり実物が大切です。

 名古屋市には大須周辺に仏壇店が並んでいるエリアがあります。そういうところを巡って、良き出会いがあればベストでしょう。(つづく)

 

 

お位牌について相談を受けました Part1

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お位牌にはさまざまな形、デザインがあります。自分の気持ちにしっくりくるものを選びましょう。

 

 慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属するお寺ですが、伝統的な意味での檀家はゼロなので、いわゆる「村のお寺の僧侶」として色々な方のご相談を受けます。

 これは、住職としての喜びのひとつ。相談を受けても十分な解決法を示すことができない場合も多いですが、一緒に考えたり、悩んだりするうちに、たいていのことは光が見えてくるものです。

 さて、先日のお寺にいらしたAさんのご相談は、お位牌についてでした。A家は禅宗の檀家さんです。最近、まだ60代だったご主人を亡くされて、まだまだ寂しさや悲しさが癒えない様子でした。

 「毎朝仏壇にお供えをして、下手ながらもお経をあげているのですが・・・目の前の主人の位牌がどうもしっくりこないのです・・・」というのです。

 ご主人のお位牌は幅の広い立派なものです。夫婦二人用かな?と思うほどの幅なのが少し気になりますが、戒名がとても威厳のあるものなので、私の目からは不自然には思えませんでした。

 「お舅さん、お姑さんは二人で一つのお位牌なのに、主人と私が別々な位牌なのは、なんだか寂しいという気持ちが強くなってきたんです。」とAさん。

 「突然夫を失って呆然としているうちに葬儀が進み、葬儀会館の担当者がお位牌のことも強く勧めてきたので、言われるままに決めてしまった・・・49日の法要までに位牌を作らなければと焦っていたのは事実だけれど、最終的に決めたのは私。

 でも、なんだか違和感があって・・・」とAさんの相談は続きます。

 

 Aさんは、できれば夫婦二人用の位牌を作り直したいのだが、やっても良いのか?と聞きたいようでした。

 位牌については、それぞれの宗派はお寺、住職の考えもあるでしょうから、本来は菩提寺の住職と相談すべきことでしょう。しかし、A家の菩提寺は大きなお寺で御住職はいつでも忙しいらしく、なかなか相談しにくいそうです。

 

 結論からいうと、お位牌を作り直すことは可能です。古くなって字が見にくくなったり、壊れたりして作り直すことはよくあります。また、お位牌がたくさんになって、仏壇に収まりきらなくなったら、大きな位牌にまとめてという場合もありますから・・・

 

 では、位牌とはいったいなんなのかから、改めて考えてみましょう(つづく)

 

「終活」についてお話する機会をいただきました。

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ベナレスの街角で見た、神様への供物用の蝋燭屋さん。これをガンジス川に流します。とても哀れで美しい灯りです。

 昨夜は久しぶりにエアコン無しでぐっすり眠ることができました。体調は良好。やはり睡眠こそが全ての元気の源ですね。

 今朝もとても涼しくて、張り切って裏庭の草刈。裏門の周辺の整理と、ちょっと頑張りました!防虫スプレーも防虫ネットの上着も着ていたのですが、虫の方も必死とみえて、けっこう刺された。庭仕事には夢があるのですが、虫との闘いをどうするかが問題です。

 

 さて、このブログでも何回か取り上げましたし、数ヶ月前には、慈雲寺で毎月行っている講座のテーマとしてとりあげたのが「終活」のことです。

 就職活動を就活というのは知っていましたが、婚活とか妊活とか知らない間にずいぶん増えていました。そして「終活」。

 生老病死の問題から目を逸らさない・・・というのが仏教の基本ですから、もちろん「終活」には僧侶としても、自分自身の問題としても興味深々です。

 女性のヌード写真が毎号たっぷり掲載されるあの!週刊ポスト週刊現代も、最近は「理想の最後」とか「いくらあれば『いい施設』で死ねるのか?」なんて特集を毎号、毎号、えんえんとやっています。

 

 しかし、なんだか変・・・・お値打ちな葬儀、施設、お墓の始末・・・それだけが「終活」ですか? あ、最近の週刊ポスト増刊号には、「本気で考えてみた『あの世』の大研究」って記事がありました。「大研究」なんて銘打っている割に、ページは6ページでしたが・・・その特集のサブタイトルは「死後の世界がわかれば生きるのも辛くなくなる」・・・・う~ん・・・なんか変・・・

 

 というわけで、いろいろ考えたり、本や記事を読んだりしているのに気がついて下さった方が、このことについてお話する機会をくださいました。

9月30日午後1時から、名古屋市栄の中日文化センターで行います。

タイトルは「<死>から学ぶ生き方  本当の終活とは」です。

  ご興味を持って下さった方がありましたら、栄・中日文化センター 電話0120-53-8164 までお問い合わせください。

 

◎なお、10月からは鳴海の駅前にある中日文化センターの分校で、3回にわたって、「<死>から学ぶ生き方」についてお話します。こちらは、「終活」よりも、より広い視点で仏教徒としての生き方の基本についてお話したいと思います。

 鳴海校の電話は0120-53-8763です。

 サイトに内容の説明が掲載されています。鳴海中日文化センター (chunichi-culture.com)

 

9月の慈雲寺の行事のお知らせです。「の」が多すぎる・・・・

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ベナレスの道端で売られていた素焼きの小さな壷。たぶ神様のお供えに使うのではと思うのですが、素朴でいいなぁ・・・と思いました。用途をご存知の方があったら、ぜひ教えてくださいませ。

 相変わらず日中は暑いですが、朝晩は少し楽なので、早寝早起きこそ過ごしやすい暮らしのコツですね。

 

 さて、9月になりました。名古屋は緊急事態宣言が出されていますので、たくさんのかたがたにおいでいただく行事はひかえるべきだと思いますが、慈雲寺は個人でのお参りは、どなたでも、いつでも大歓迎です。本堂の扉が開いているときは、いつでも堂内に上がって、阿弥陀様や弘法大師さまとのご縁を深めてください。

 慈雲寺へのアクセス情報や地図は慈雲寺のホームページ jiunji.weebly.comの contactのところをクリックすると出てきます。

 

◎9月20日~26日 お彼岸の「當麻曼荼羅」御開帳  終日本堂にて

 「當麻曼荼羅」は、奈良の当麻寺に伝えられる巨大な曼荼羅です。そこに描かれているのは、『観無量寿経』に説かれた美しい極楽の様子です。

 慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)は、この曼荼羅を使って布教する伝統があります。慈雲寺にも八分の一の大きさ(それでも結構でかい!)のレプリカがありますので、お彼岸の間、御開帳いたします。どうぞお近くでゆっくりご覧になって、極楽を想像してみてください。

 絵が細かいので、老眼鏡が必要な方はお忘れなく!拡大鏡も用意します。

 

◎9月21日 夜7時半より  満月写経の会

 慈雲寺では、毎月満月の夜にお月見を兼ねた写経の会を行っています。7時半から、ご一緒に『般若心経』を称え、その内容についても毎月少しずつ学んでいきます。

 必要な道具はすべて用意してあります。初めての方でもお気軽にご参加下さい。

 

◎9月26日 10時より 尼僧と学ぶやさしい仏教講座

      テーマ:お経って何だろう?仏経典の基礎知識 

 慈雲寺では、毎月、身近な話題を取り上げて、仏教のものの見方、考え方の基礎をご一緒に学んでいます。どなたでもお気軽にご参加いただけます。

★もし、緊急事態宣言が延長されるようでしたら中止とします。

 

◎9月30日 13時より 栄中日文化センターにて

「こころに寄り添う珠玉の講演会」

テーマ: <死>から学ぶ生き方 本当の終活とは

 私のお話が「珠玉」かどうかは疑問ですが、中日文化センターの栄校で講演をさせていただけることになりました。お墓の始末やお値打ちな葬儀、遺産の分配などだけが「終活」ではないと思うので、その辺りのお話をさせていただこうと思っています。

 ご興味のある方は、電話0120-53-8164へお問い合わせ下さい。

◎お彼岸のお参り

 お彼岸中のお参りを希望なさる方はご相談に応じます。慈雲寺はみなさんのお寺です。宗派にかかわらずご相談下さい。 

 電話052-621-4045

ひっそりと「秘仏・地蔵菩薩像」の御開張・・・

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インダス川の神々や亡き人を偲ぶ供物の花

 

 毎月24日は地蔵菩薩の縁日です。とりわけ旧暦の7月24日は地蔵盆として、この日にお地蔵様にお参りすると功徳があるといわれています。

 今私たちの使っている暦では、8月31日が今年の旧暦7月24日です。

 本当は子供たちを招いて地蔵盆の行事をしたいのですが、緊急事態宣言が出されたので、今年は諦めることにしました。でも、せっかくのご縁日ですので、ひっそり(こそこそ??)御開帳をしてみようとおもいまます。

 

 慈雲寺には普段は厨子の扉を閉めて「秘仏」になっている地蔵菩薩の御像があります。地蔵盆の日には、特に地蔵菩薩へのご縁を深めていただきたいと思うので、8月31日に御開帳をすることにいたします。

 本堂の奥、右手にお祀りしますので、本堂の扉が開いている間は、どなたでもご自由にお参りください。

 お地蔵さまは、状況が末法の時代よりさらに悪化し、無法・無仏の時代になっても、最後まで私たちを救うために努力して下さる菩薩といわれています。地獄へも降りていって救いの手を差し伸べてくださるそうです。

 とりわけ、子供たちを護って下さると信じられています。

 子供たちの健やかで穏やかな成長を祈りましょう。

 

 子供たちのプレゼントとして、交通安全のお守りを用意しました。車のライトに反射するようになっていますので、夜のお出かけなどにご利用ください。大人の方もどうぞ!

新聞の占いが心に響き過ぎる!?

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ベナレスで見た、神への捧げ物用の花屋さん

 

 私が属する浄土宗西山派西山浄土宗)では、浄土真宗のように占いを厳しく禁じているわけではありません。おみくじを扱っているお寺もありますし、慈雲寺にもとてもレトロなおみくじがあります(あまりおおっぴらに宣伝していないので、ほとんど気がtつく方はいないようですが・・・・)

 というわけで、私は普段、雑誌などに出ている占いの記事を読むことはほとんどありません。しかし、最近になって購読している中日新聞の運勢欄が妙に気になるのです。著者の松風庵主という方も気になる・・・・

 さて先週の木曜日の松風さんの見立ては「一心ありても挫折の連続だが、確実に障害を打ち破る。実感なくとも信じよ」でした。実感なくとも・・・のところがじんわりと心に響きますね。

 先月のある日は「字が大切。書道を学べ」みたいなアドバイス。ひぇ~~~字が下手なのが情けなすぎる私にはズシリと響きました。

 

 このところは、「甘菓子に塩味があるから味が引き立つ。多少の苦も必要」らしい・・・「多少の苦」って何かなぁ?毎日元気に伸びている雑草か?暑くて入りたくない台所?いつまでの片付かない部屋?

 「苦」の内容が情けなさ過ぎる・・・

 

 というわけで、明日の朝刊が少し楽しみなんですが。

 

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「戒名・法名」です。

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ベナレスの街から眺めたインダス川の夜明け

 

 今朝は少し涼しい・・・こうして暑い日、ほんの少し涼しい日が繰り返されて、いつのまにか秋になっていくのでしょう。

 さて、今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、8月29日10時より行います。テーマは、戒名や法名の意味、それを授かる意義などについてご一緒に考えてみましょう。

しかし、残念ながら、愛知県は新型コロナの蔓延が止まらない状況です。緊急事態宣言も出されたので、今月の講座を開くことにはかなり躊躇しましたが、新聞に告知が掲載されましたので、無駄足になってしまわないように、開催することにしました。

 戒名・法名については、これからも時々テーマとして取り上げますので、どうぞご無理のないようにと願っています。

 慈雲寺へのアクセス情報は、jiunji.weebly.com のcontactをクリックして下さい。地図やバスの時間などを掲載しています。

 

 慈雲寺の本堂は開けられる扉(一部はさびついて動きませんが・・・)は全て開けますので、換気はある程度満たされると思います。

 入り口に除菌ジェルを用意しますので、手の消毒をお願いいたします。

 

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 戒名・法名に関するご質問にも、できる範囲でお答えしたいと思います。