慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

寒いけど、笑顔でお帰りになりました。

f:id:jiunji:20141227162142j:plain

 今朝は「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の第二回を行いました。寒いし、年末のお忙しい時期だし、何人来てくださるかなぁ・・・と思っていたのですが、20人近くの方々においでいただきました。ご近所の方だけでなく、不便な場所なのに遠くからおいでいただいた方もいらっしゃるようで、とてもありがたく思いました。

 今日のテーマは「怒り」。仏教では人間の感情を大きく二つにわけます。怒りと愛・・・言い換えると暗さと明るさ、苦しみと幸せ、破壊と創造。怒りを心にいだくと、美しいものを楽しむことも、おいしいものを味わうことも、何かを作り上げる喜びも心に入ってこなくなってしまいます。ですから、仏教では「怒り」を毒蛇の毒と同じように人間を傷つけるものと考えます。

 そして怒りの感情は、外から来るものではなく、自分で作り上げているものなのです。怒りの感情を生むかどうかは他人や状況のせいではなく、作っているのはあくまでも自分。怒りのない穏やかな生活をおくるには、自分が怒らないことがだいいちです。

 怒りは自分で作っているのですから、我慢や忍耐の問題ではなく、ともかく怒らないのは怒りの毒を制御するコツ。

 まあ、そう簡単にはいきませんね。でも、自分の心の中にある怒りをしっかり見つめる、自分が怒っていることを率直に認め、その怒りが心を満たしてしまっているので、喜びも楽しみも入る余地がなくなってしまうことをよくよく考える必要があるでしょう。

 心に暗い影ができたら、お寺にきて、ちょっとゆったりと座ってみませんか。何もしなくても良いですよ。お念仏を称えてみてもいいでしょう。

 今日は一段と冷え込みがきびしい。本堂の中は小さなストーブだけではとても温まりません。でも、みなさん、ニコニコ顔でお帰りになりました。怒りが静まると心もポカポカしてきますね。

・今日の写真は新幹線から撮った富士山です。工場と富士山というのも、けっこおもしろいともしろいなと思ってシャッターを押しました。