慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

今日は海辺の大学へ

 

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カナダにいるとき、通訳や翻訳を教えていただいた恩師が来日。六甲アイランドにある大学で講演会をなさいました。ちょうど京都の本山で用事があったので足を延ばしました。

 私にとっては六甲アイランドには悲しい思い出があります。阪神淡路大震災まで、ここには六甲ランドというテーマパークがありました。このテーマパークのアトラクションの一つで使われていた映像をカナダで制作したとき、私もお手伝いしたのです。震災がおきたとき、この作ったばかりのアトラクションが壊滅的なダメージを受けたことを知りました。その時は、”たかが”遊園地のアトラクションが壊れたことをことを嘆くような状況ではなかったのですが・・・・

 六甲アイランドへ行く六甲ライナーの一番後ろの席に座ると、神戸の街がどんどん広がって見えました。20年前、目の前の街のあちこちが燃えていたのかと思うと、胸に重いものが迫ってきました。でも、終点の駅を降りると急に柔らかな海風が私を迎えてくれました。

 今、神戸は一見何事もなかったかのようです。でも、六甲ランドは復活せず、私たちが作った映像も消えてしまったままです。

 形あるものは必ず滅びると、お釈迦様は教えてくださっています。でも、空しいと思うには、今日の海辺はあまりに美しい光に満ちていました。

・今日の写真はバンクーバー島の北部の海です。