枝垂れ桜が満開の日に突然亡くなられたのは、私の属する浄土宗西山派(西山浄土宗)で、宗祖の法然上人の八百年御遠忌の記念プロジェクトでご一緒に仕事をさせていただいた方でした。見た目はざっくばらんな雰囲気ですが、華道に造詣深く、美意識の高い方でした。理論派でさまざまなアイディアが次々湧いてくる。理屈っぽい私はしばしばやり玉にあげられましたが、可愛がっていただいたと感じています。
プロジェクトの仲間と一緒にお通夜に参列しました。僧侶として葬儀に参加するのにはまだ慣れません。きちんと読経してお送りすべきという気持ちが強いので、手放しで悲しむわけにはいかず、ご家族の方々にどうお悔みをお伝えすれば良いのかも難しいところです。
お寺で生まれ育ち、若いうちに出家なさった方が多いですから、何百回も葬儀に参加している方がほとんど。悪い意味ではないですが「慣れている」のかもしれません。私はとても居心地が悪く、とても疲れてしまいました。
亡くなられた方のお寺は、少し前に新築なさったもので、彼のアイディアや美意識がそこここに感じられました。美しい坪庭と彼が最後に生けたという花が哀しく心に残りました。
・今日の写真は、カナダのサンシャインコーストにあるギブソンの村の街路樹。根本がミニ花壇になっています。