たった70年前、日本が“敵”としてきた国や人々に強いた犠牲はもちろん、日本人自身が体験した戦闘死、熱帯や極寒の地での餓死、主要都市の爆撃被害、原爆、旧ソ連や中国、アジア各地での抑留、引き上げなど、ありとあらゆる犠牲を払って憲法九条を作り、「海外派兵をしない国」という特別な立場を確保してきたのに・・・・今日、2015年9月19日は、その特別な立場を放棄する歴史的な日になってしまいました。
ナチスの高官だったヘルマン・ゲーリングの言葉にこんなものがあるそうです。
『もちろん、普通の人間は戦争を望まない。
(中略)しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。
(中略)とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。
この方法はどんな国でも有効だ。』
この言葉は「日本人の安全を守る」とか、「日本の生命線である石油を守る」とかいう、安倍首相の主張にあまりにも似ています。
残念ながら、この状況を作ったのは、選挙で自民党と公明党に圧倒的過半数を与えた私たち国民です。責任は私たちにあると言わなければならないでしょう。これが民主主義の弱点です。しかし、私はもともと法哲学を学ぶことから比較宗教学に興味をもったので、選挙とか、政治権力から独立した裁判所、憲法を信じたい気持ちが強いのです。
仏教徒としても、もちろん戦争には反対です。これからもあきらめずに、「どうせ・・・」と流されずに、「殺さない、殺させない」という仏教徒の原則を大切にしていきたいと思っています。
◎今日の写真は2014年の9月24日に、かなだのメープル街道にあるサーブル湖です。少しずつ木々の色が鮮やかになっています。