慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

経典に出てくる「数」の比喩がおもしろい!PART1 

f:id:jiunji:20151030201230j:plain

 仏教の経典は、ほとんどの場合、一つのストーリーが語られています。ですから、経典の現代語訳の本を見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。特に『観無量寿経』というお経は親子の葛藤から物語が始まっていて、やがてすべての凡夫阿弥陀仏によって極楽に救いとられるという大変ドラマチックなものなので、特におすすめです。最近は、わかりやすい文章で文字も大きなものが出ています。

 お経の中の文章には、時としてとても大げさ(?)な表現が使われています。「長い、長い時間」、「巨大さ」「微小さ」「数の多さ」などを非常に豊かな表現で描くのです。まあ、今でも場所の広さを表すのに「東京ドームの何倍」などという表現を使いますよね。

 仏典の中によく出てくる「たくさんの」という意味の表現に「恒河沙」(ごうがしゃ)というのがあります。

 「恒河」とは、インドで聖なる河として今もあがめられているガンガー河(ガンジス河)のことです。全長2500キロを超える大河ですから、その岸辺や川底にある砂の粒というのは膨大な数になるでしょう。

 仏典に「恒河沙の何倍の距離」とか「恒河沙の何倍もの数の菩薩さまがた」というような表現がよく出てくるのです。ちょっと想像すると気が遠くなるほどですが、それほどたくさんの菩薩さまが、私たちに手を差し伸べてくださっていると思うと何だかうれしくなりますね。

◎今日の写真は南米のコロンビアのカリという町にある「猫公園」の猫像です。