慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

『二河白道図』がおもしろい!(お説教の勉強会で実演しました。Part2)

 

 

f:id:jiunji:20151101201350j:plain    (10月26日の記事の続きです。)

 先日お説教の勉強会で絵解き説教をする機会をいただきました。「絵解き説教」とは経典などに出てくる物語を絵にしたものや曼荼羅などの掛け軸を見せながら、その開設を基におこなうお説教です。

 今回はその代表的な図の一つである『二河白道の図』を使いました。この図は、中国浄土教の大成者である善導大師が著わした『観無量寿経』の注釈書に出てくる比喩を絵で示したものです。

 念仏を勧める比喩として非常に有名なものですから、昔からさまざまな絵が描かれてきました。きっとみなさんの菩提寺にもあるでしょうし、博物館の仏教美術のコーナーに展示されることも多いですから、ぜひご覧になってください。

 この絵の中心には河が描かれています。南側には業火が燃え盛り、北側の河の水は荒れ狂っています。この二つの河の間に細く白い道が伸びているのです。その道を東の岸辺から西へ向かって歩んでいる人の姿も見えます。

 この図はまさに念仏者の姿です。東の岸辺は穢土、つまり私たちが今暮らしているこの世を表しています。岸辺には武器を持った怖い顔の盗賊たちや猛獣、毒蛇などがいっぱい!しかし、空中には優しいお顔の仏さまが西の岸辺を指さしています。この仏さまこそ、お念仏の教えを説いてくださっているお釈迦さまです。

 目の前の業火の河は自らの怒り。荒れ狂う波は自分のむさぼりの心です。さまざまな誘惑にも苦しめながら、白い衣を着た念仏者がお釈迦さまに励まされながら、白い細い道を渡っているのです。

 念仏者が向かっている西の岸辺には美しい楼閣が描かれています。この西の岸辺こそ極楽なのです。空中で私たちを迎えてくださっているのは、もちろん阿弥陀様です。

(続く)

◎今日の写真は南米のコロンビアで見た2000年前のゆるキャラ(?)フクロウです。