東山動植物園の温室でアガベ・ホリダが開花しようとしていると聞いて、梅見も兼ねてでかけました。アガベ・ホリダはリュウゼツラン科の植物で、花が咲くのは10~20年に一度。開花の準備が始まると、花をつけるための茎(花序)が一か月ほどでグングン伸びてきます。6mぐらいにもなるらしい。東山動植物園のも温室の天井まで届きそうなほどでした。
花は下の方から開き始めるそうで、ちょうど一番下の数段が咲き始めていました。柔らかな黄色の可愛らしい花です。
次にこの花が開くときには、私はおそらくこの世にいないでしょう。なんだか極楽にも、こんな花が咲いているような気がしました。
このアガベ・ホリダは、なぜ今、命を次世代につなげようとしたのでしょうか?花が咲くと、花粉はどこかに飛んで行くのかしら?自分がガラスのお城に中に閉じ込められているのは知っているのかなぁ?
いろいろなことが心に浮かんできました。
アメリカ南西部の取材に行ったとき、あちこちでサボテンを見ました。サボテンの花は鮮やかで派手なものが多いけれど、それを取り巻く厳しい砂漠環境を見ると、その華やかさがかえって痛々しいというか、哀れな風情でもありました。