先日入手したダライ・ラマ猊下のご本を読んでいたら、「私もたまには怒ったり、腹が立ったりすることがあります。」と書かれていたのでビックリ。さすがに観音様の化身は正直だ!猊下は、そんな怒りの感情があらわれたら、放っておくのだそうです。「放っておけば、怒りの感情が長く心にとどまっていることはない」と猊下はおっしゃいます。う~~ん・・・怒りに囚われている限りは怒りの感情は消えないということなのでしょうか。正に仏教の教えらしい考え方です。
また、忍耐についても興味深い教えを説いていらっしゃいます。忍耐とは人にどんなひどいことをされても黙って耐えることではない。本当の忍耐とは、相手からどんなひどい仕打ちをされても、こちらは「怒りを持って対応しない」ということの実践なのだそうです。
「心に怒りを持たずに対応する修行」が本当の忍耐の実践・・・・容易にできることではありませんが、目標にしたいことですね。
このブログにも何度か書きましたが、仏教では「怒り」の感情を非常に重要なものと考えます。怒りは毒蛇の毒よりも、怒った本人を傷つけるのです。怒りが怒りの連鎖を呼び、拡大し、怒りを持て余して独り苦しむのは、まさに地獄の苦しみですね。
ダライ・ラマですら怒りの感情が起こるのですから、それを押さえつけるのは難しいでしょう。しかし、それを「放っておく」修行は少しずつでもやってみましょう。
◎今日の写真はカナダのモントリオールの街角でみたスクーターです。慈雲寺の先代さまは、スクーターに乗って毎日たくさんのお宅に月参りに行かれていたそうです。