慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月27日(日)10時より行います。テーマは「行きつけのお寺の見つけ方」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

法然房源空上人(法然上人)のお名前:蟹江にお説教に行ってきました Part2

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  法然上人のお徳を慕う年に一度の御忌法要のお説教に呼んでいただき、蟹江の町に行ってきました。お説教をさせていただいた法応寺は蟹江川沿いにありました。川沿いの家々はなんだか昭和の時代に戻ったような懐かしい雰囲気。尼僧様が自転車に乗って通り過ぎたのが映画の一シーンのようでした。同じ尼僧なのに、ガラガラと音をたててトランクを引っ張って歩く私ではムード台無しでした。

 御忌のお説教は法然源空上人(法然上人)のご生涯をテーマにお話しするのがお約束です。今回は私たちが聞きなれている「法然上人」というのは、住んでいた場所をしめす房号で、僧侶としての正式なお名前は、法然源空上人だというお話しからスタートしました。

 また、僧侶は普通、師僧の名前の一部をゆずり受けて名づけられます。「源空」も、比叡山に登って最初の師僧である源光上人の「源」と、次に教えを受けた叡空上人の「空」を合わせて作られたと言われています。しかし、本名をそのまま言うのは失礼という考え方が日本には伝統的にありますから、房号でお呼びするのが習慣になりました。

 法然源空上人の高弟で、慈雲寺が属する浄土宗西山派西山浄土宗)の流祖である善慧房證空上人は、師の「源空」から「空」を一ついただいています。以来、西山派の僧侶は代々、「空号」を受けついでいるのです。私も恥ずかしながら「翺空」という空号をいただいています。翺空隨麗が私の僧侶としての正式な名前です。源空上人から続いている教えの流れを受けついでいると思うと、なんだか嬉しいです。もっとも源空上人や證空上人は、「う~~ん・・・いくらなんでもひどい弟子だ・・・」と苦笑いなさっていらっしゃるかもしれませんが・・・

◎今日の写真はコロンビアで見た家の住居表示です。日本のように同じ番地に何軒も家があるのではなく、〇〇通りの111番というように、全ての家にそれぞれ番号がついています。