5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、僧侶が纏う衣や袈裟のお話しをしようと思っています。なかなか良い資料がなくて準備に苦戦していますが、こういう調査は自分でも学ぶところが多くて楽しい作業です。
お坊さんの袈裟は、小さな裂(きれ)をつなぎ合わせて作ります。なんとなく田んぼのような形にも見えます。そのため、袈裟のことを「福田衣」(ふくでんえ、ふくでんね)ということもあります。
これは、農業をする人が、田に種を撒き、苗を植え、水に気を配るなどなど、いくつものプロセスをへて収穫するように、僧侶も仏の教えの種を撒き、丁寧に耕し、収穫を迎えられるようにしなければならないという教えを象徴したものだとされているのです。また、この福田は他の田よりも豊かな実りがあるので、この福田を維持するために協力することは、そこから受け取るものもより大きいという意味もあります。つまり、お寺や僧侶をサポートすることによって、豊かな実りを得られるというのです。
僧侶には多くの「役割」がありますが、お釈迦さまがお説きになった教えを「福田」に種を撒く、布教という役割は特に大切なものです。お寺が「福田」の役割を果たしていることを皆さんに感じていただくことが大事ですね。しかし、怠け者の私は、なかなか十分に福田を耕すことができません。もちろん、自分の心もコツコツと耕していかなければいけませんし・・・・困った。
それだからこそ、毎月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、皆さんに聞いていただけることが、自分にとってもありがたい機会なのです。
今日は、「私は曹洞宗の者なのですが、22日の会に参加させていただけますか?」というお電話をいただきました。最初は、「え?曹洞宗のお坊様かな?」と思ってドキドキしました。しかし、お話しを聞いていると、どうやら曹洞宗のお寺の檀家さんという意味のようです。
慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属していますが、寺で行う全ての行事は、どなたでもお気軽にご参加ください。本堂も扉の開いているときにはご自由にお参りください。手ぶらでも写経をしていただける用意もあります。これもご自由に。
◎今日の写真はカナダの首都オタワの郊外で出会った、なかなかハンサムな牛です。