まだ、お腹不調状態から抜け出せません。でも、ようやくお粥やお豆腐は食べられるようになって、少し元気が出てきました。明日から、取材に出なければいけないので、もう少し回復したいところです。
さて、昨日もまる一日、すぐ近くにトイレがないと危険・・・という情けない状態だったわけですが、おかげでおもしろい本を読了してしまいました。竹内孝仁というお医者さんがお書きになった『水をたくさん飲めばボケは寄りつかない』という本です。
一読して、う~~ん・・・これは「とんでも本の一種かなぁ?」と、と学会の会員が書いた本が大好きな私は思ってしまいました。ネットで調べてみると、この竹内理論を実践して悲惨になっている介護施設の話なども出てきます。
しかし、老人の異常行動の多くが脱水症状からくる朦朧とした状態だという竹内先生の主張は、私には説得力がありました。だからといって、体格に関係なく一日1500mlの水を飲ませろというのはどうかなぁ?
ただ、先生のおっしゃる、「認知症は認知障害なのに、記憶障害として診断する誤りが起きる」「物忘れがひどくなったら認知症という考え自体がすでに間違い」という主張は、目からうろこでした。私は、いくつかの絵を見せて記憶させるテストで「認知」の能力を判断するのは変だと前から思っていたからです。ま、私自身がその手の記憶テストが全然できない(子供のときから)からなのですが・・・・
「『認知』とは、自分の置かれた『状況』を正しく把握し、行動に結びつけてゆく働きである。」という竹内先生の「認知」の定義はとても興味深い。仏教的な「認識」と共通するものがあるような気がしました。
竹内理論がとんでも理論なのかどうかは、もう少し他の本も読んでみたいと思います。しかし、シニアにとって脱水症状が危険であることは間違いないと思うのです。実は、私の身近にも肺血栓で入院した人がいるのですが、私はその人が脱水症状を起こしているのに気付いてあげられませんでした。私はこのことをとても後悔しています。
慈雲寺には多くのシニアの方がいらっしゃるので、少しでも脱水症状を防止したいと思い、毎日本堂に麦茶を用意しています。どうどご遠慮なく飲んで一休みしてください。
◎今日の写真はカナダのウィスラー・スキー場のホテルのロビーに用意されていた、ペット用のビスケットです。