今日は雨だし、なんだか元気がなかったのですが、お客様が何人もおいでになり、少しずつ気持ちも回復してきました。信徒の方とお話しすることは、私にとって、とても大切な、そして楽しい修行です。
さて、今日のお客様の一人が、大きな花束を持ってきてくださったのです!「親戚からたくさん送ってきたので、おすそわけ・・・」してくださったのだそうです。名前はわかりませんが、愛らしくて夏らしいオレンジ色の花です。
さっそく山門の脇の花瓶に飾りました。慈雲寺の門は普通のお寺の門とは違い、江戸時代の典型的な武家門です。慈雲寺を創建した相羽家の門だったものです。相羽家は尾張藩の御典医のお家柄で、明治時代には皮膚科の名医として有名だったそうです。
私が住職になってから、柵を取り合払い、山門の扉の両側に小さなガラス瓶を置いて、慈雲寺の境内に咲いている花を活けています。今年はなぜかアジサイが全く花をつけないので、今は、ちょうど花の無い時期でした。
こんな風にお花を供養していただくのはとても嬉しいことです。時々、お地蔵さまの花瓶の花が入れ替えられていることもあります。どなたが供養して下さるのかわかりませんが、本当にありがたい。
慈雲寺は多くの方々のさまざまな「お布施」によって支えられています。「布施」は、仏様のご供養であり、「布施行」という修行のひとつでもあります。布施によって功徳を積み重ねるのですね。「お布施」にはさまざまな方法があります。「財施」のようにお金による布施だけではなく、お寺のお掃除を手伝ってくださるなど体を動かしてする「身施」も大切ですし、もちろんお花を供養してくださるのも素晴らしい布施です。慈雲寺を思ってくださる方々のお気持ちを大切にしてまいります。
◎今日の写真は、カナダの最東端の島、ニューファウンドランド島の森の中に咲いていた小さな小さな花です。