慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

師を悼む

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 今朝、友人から電話があり、W師が御遷化なさったと知らされました。W師は、慈雲寺が属する浄土宗西山派西山浄土宗)を代表する説教師の一人でした。たしか、まだ60代だったはず。名古屋の近くにお住まいだったので、これからW師のお説教をしばしば聞くことができると楽しみにしていたのですが・・・・

 W師は、後輩の指導にも非常に厳しく、私も貴重なアドバイスを何度かいただいたことがあります。また、W師は自分のお説教の原稿を本として何冊も出版しています。これは、もちろん西山浄土宗の教えを広めるためのものですが、それ以上に後輩の説教師たちに自分の「説教術」を伝えたいという意欲の表れであったと思います。

 W師はお説教をするときはいつも細部まで詳しい原稿を書き、実際の場ではその原稿はほとんど見ないで話されました。何も持たずに説教台を登ることも多かったのですが、そんなときも実は詳しい原稿を書かれていたようです。

 W師はいつも厳しいお顔をして、少々近寄りがたい雰囲気のある方だったのですが、せっかく近くに来たのですから、私ももっと積極的に教えを請いに伺うべきだったと今になって悔やんでいます

 人の命は無常なものです。会いたい・・・と思ったらすぐ会いに行くべきだし、教えを請いたいと思ったら、懸命にお願いすべきです。

 今夜はW師のお書きになったお説教の本を読みながら、お説教の師を悼んで過ごそうと思います。

◎今日の写真は西山浄土宗の総本山光明寺の秋景色です。紅葉は11月の中旬がピークになるでしょう。11月29日に慈雲寺から光明寺へ参拝に行きます。紅葉の美しい時期に御一緒に出掛けませんか?どなたでもお気軽にご参加ください。参加費は1万円(昼食付)です。慈雲寺までご連絡ください。