慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

本当に大切なものをつい粗末に扱ってしまう

お釈迦さまのお言葉

「ことばが怒りを放つのを抑えなさい

ことばをしっかり抑制しなさい

ことばによる悪い行いを捨て

ことばによって善い行いを修めなさい」(法句経より)

f:id:jiunji:20170107221613j:plain

 先日、哀しい話を聞きました。いつも介護してくれる同居のお嫁さん(Aさん)のことが不満で、何かと嫌味を言ってしまうBさん。本当は、思うように体が動かすことができないもどかしさや、老いていく自分の行く末への不安が「怒り」になって、一番近くにいる人にぶつけてしまっているのです。

 たまにやってくる自分の娘Cさんには、Bさんは感謝の言葉を何度も言い、たっぷり甘えてしまいます。しかし、お嫁さんにはなかなか「ありがとう」も言えない・・Cさんは、ささいな不備をとりあげて、「もっとお姑さんを大切にしなくちゃだめでしょ!」とAさんを叱ります。

 時折、お土産を持ってやってくるだけのCさんの「気持ち」には喜ぶのに、普段から延々と続くAさんの介護の「実行」は過少評価しかしない・・・

 Bさんのように、本当に大切なものへの感謝を忘れ、粗末に扱ってしまうことは、案外多いものです。

 いつも自分のことを気にかけてくれ、こまめに連絡してくれる友達を粗末に扱い、たまに気まぐれにやってくる友達のことを大事にするということはありませんか?

 自分の身近にあるからこそ、いつもいてくれるからこそ、「当たり前」と思わず、丁寧にご縁を護り育てていくことが大切ですね。

◎今日の写真はウズベキスタンで見た絵です。シルクロードのどこかの町のバザールの様子でしょう。いろいろな民族が行きかい、活気に満ちていた様子が伝わってきます。