慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

「痔病治癒」の神様の取材へ

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 楠木はいいなぁ!何十年もカナダで針葉樹ばかり見てきたので、照葉樹林の美しさはいまだに新鮮な驚き。楠木のように樹高が数十メートル以上もあって、空を覆わんばかりに枝を広げている木を見ると、思わず見とれてボーっとしてしまいます。先日、神戸に行ったとき、魂を吸い取られてしまいそうなくらい美しい楠木に出会いました。その木は、何と!お尻の病を治してくださる神様の化身だったのです。

 前にもお話ししましたが、去年から、毎月『旅行読売』という雑誌で連載ページを担当させていただいています。短い記事ですが、これが楽しくて、楽しくて!

 連載のテーマは「関西のご利益のある社寺」。知る人ぞ知る・・・ぐらいの知名度のところを探しています。取材先は、基本、自分の企画なので、これも楽しい。

 私は旅行ライターになったのはカナダに住むようになってからなので、北米のことはあちこち取材に行っていますが、日本のことはほぼ何も知らない。ですから、毎月の取材では驚きの連続です。

 今回は神戸市にある長田神社へ取材に行きました。大変古い形の追儺式(節分の行事)を残している神社として興味があったのですが、取材をしてみると、実は本殿の裏にある小さなお稲荷さんが、かなり「知る人ぞ知る」神様でした。なんと、病気治癒、中でも痔疾に御利益あり!なのだそうです。

 日本人の成人の三分の一が痔主という話も聞いています。ギッシリ並んだ絵馬が、なんとも言えない哀愁・・・この神様は、絵馬に名前を書かなくても、ちゃんと願い事を聞き届けてくれる優れた方。年齢と干支、性別さえ書けば良いそうです。

 お稲荷さんですから、神殿に祀られているのは「倉稲魂神」ですが、病気を治してくださるのは、神社の裏手にそびえる巨大な楠木です。樹齢は800年ぐらいとか・・・いやぁ・・・周囲6mを超える、なんとも頼もしい感じの木。枝を勝手に広げている感じがなんともいいなぁ。

 口に出しにくい病気で悩んでいる人には、見上げるだけできっと大きな慰めになることでしょう。

◎今日の写真は、長田神社の境内にある夫婦楠木です。境内には、他にも何本も楠木の巨木が空を覆っていました。