慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

二万七千年前の日本人も墳墓を造っていた!

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 お盆の間中、なかなかゆっくり新聞が読めなかったのですが、今日は一日中たまっていた新聞三昧でした。

 いろいろと興味深い記事があったのですが、その一つが石垣島で見つかった、日本最古とみられる二万七千年前の人骨です。しかも、その人骨は明らかに「葬られた」とみられているのです。

 人が死亡した時、周囲の者たちが何らかの「葬送儀礼」を行うということは、「文明」の一つの証と言えるでしょう。しかも、生活の場とは別に、埋葬の場を設けていたということも、今回の発掘で明らかになったそうです。

 旧石器時代に生きていた人々が「死」にたいして、何らかの「思い」(畏怖かもしれませんが)を持っていたということは、とても興味深いことです。

 人を悼み、葬ることは人としての大切な文化なのです。今、まるで物を処分するかのように遺体が扱われ、故人を偲ぶ儀礼を失っていくということは、私たちが大切な文化を放棄することでもあるのです。

 祖先との「良きご縁」を大切にし、信仰を持って生きる人は、人生の基盤がしっかりしているということです。生きていく上での困難を乗り越える、根本的な拠り所を持っている人だと思うのです。

◎今日の写真は、カナダのワインの里として知られるオカナガンで見た、夏花の寄せ植えです。