慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

末は徳の高い高僧か?! Part2

f:id:jiunji:20171010092949p:plain

 前回の記事で、慈雲寺に社会見学に来た小学生のお話しを書きました。どの子供も可愛らしく、知的好奇心もたっぷりありそうな良い子たちでしたが、一人、特に印象的な子供がいました。

 子供たちは、本堂の中で椅子に座ってもらってお話しをしたのですが、その子(Aさんとしましょうか)だけは、正座をして背筋をまっすぐに伸ばして聞いています。「身じろぎもしない」という言葉がぴったり。緊張しているようではなく、なんだか「気合を入れて拝聴」という感じでした。

 本堂での説明が終わった後、庫裏に子供たちを入れ、床の間の飾りの説明などをしていたのですが、Aさんは、阿弥陀様の来迎の様子を描いた掛け軸の前に正座。やがて頭を畳に擦り付けるように深く礼をして、そのまましばらく動きません。私はあえて声をかけず、そのままにしていました。

 最後に本堂へ戻り、短いお経を読んで、お焼香の体験をしてもらったのですが、終わって、ふと振り返ると、Aさんが眠っているではありませんか!まあ、小学二年生ですから、居眠りしたくなる子もいるだろう・・・と、思ったのですが、クラスメイトがAさんの体をゆすっても全く目を覚ましません。

 最初に思ったのは、「ひょっとして、小児糖尿病でインシュリンショックか?」ということでした。次に思ったのは、ふざけて寝たふりをしている・・・でも、それにしては体全体から力が抜けているのです。先生や級友に起こされても、反応なし・・・

 なんだか深い瞑想状態・・・トランス状態みたいな感じなのです。

 えっ!?私の読経でトランス状態に入ったか???

 まあ、木魚のリズムは催眠効果があるしなぁ・・・なんて、短い間にいろいろ考えてしまいました。

 Aさんは、引率の先生にゆすぶられてようやく目を覚ましました。居眠りの途中で起こされたというのとは、ちょっと違う感じ・・・寝たふりをしていたなら大した演技力です。でも・・・・ひょっとしたら、この子、かなり宗教的な素質があるのかも???

 前世もお坊さんだったのかもしれませんね。将来、Aさんが、高僧伝を書かれるような僧侶になったら、慈雲寺でのエピソードもきっと「小学生のころから、深い瞑想に入ることができた」なんて、徳の高さの証明になるかも???

 どちらにしても、とても興味深い性質のお子さんのようなので、これを機会に慈雲寺に遊びに来てくれるといいなぁ・・・

 慈雲寺では、時々、子供たちが本堂に上がって、宿題をしたり遊んだりしています。お寺で遊んだことのある子供が増えてくれると嬉しいです。