慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

思い立った日が御供養の最良の時

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 先日、Sさんという方から御尊父の年忌法要ついて相談をいただきました。Sさんは、時々、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を聴きにきてくださる方です。

 お父様が亡くなられてから、ちょうど三回忌にあたる時期なのですが、事情があって法事に参列できなかったので、慈雲寺で供養して欲しいとのことでした。

 Sさんは「こんなお願いできるでしょうか?」と心配されていました。

 もちろんできます!

 初七日の供養から始まって、50回忌、100回忌まで、日本の年忌法要のシステムはとても良くできています。近しい人をお浄土へ見送った人々の哀しみが癒されるプロセスで、ちょうど良いタイミングで、法事が行われるようになっているのです。日本人が長い間に培ってきた、ご先祖供養の伝統です。

 しかし、時期と「気持ち」を無理やり合わせる必要はありません。御供養は、亡くなった方を偲びたいという気持ちがおきた時なら、いつでも良いのです。御供養したいと思い立った時がベストだと私は考えています。

 もちろん、「法事なんか全然する気持ちになれない」という人もいるでしょう。そういう時でも、長年の宗教的慣習や「世間の智慧」に従って、法事を無理をして(??)やってみると、案外「ああ、自分の気持ちに素直になれた」とか、「家族、親族の気持ちが理解できた」、「亡くなった人の思いを受け止められた」と感じる人も多いと思います。それが「宗教的慣習」の力です。

 Sさんのことも、お気持ちにできる限り沿えるように相談しながら御供養させていただこうと思っています。

 慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属していますが、どの宗派も皆、お釈迦様の教えです。宗派にかかわらず、いつでも御供養させていただきます。年忌法要でも、お仏壇やお墓での御供養についてもご遠慮なくご相談ください。

◎今日の写真は西山浄土宗の総本山、光明寺の紅葉参道の様子です。