慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

もう一冊のお勧め仏教入門書

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 今日、仏教の入門書について「お勧めの本はありませんか?」と聞いてくださった方がまたいらっしゃいました。前回は城福雅伸先生の『明解仏教入門』(春秋社)をおすすめしまたが、今回は哲学者の梅原猛先生の『仏教入門』(朝日新聞社)をご紹介したいと思います。

 城福先生は仏教学が御専門ですが、梅原先生は日本の思想史を深く研究なさった方ですが僧侶ではありません。宗教家の立場とは違うところから仏教を考察し、解説してくださっています。

 この本がとてもユニークなのは、梅原先生が中学生を対象として行った集中講義が基本になって生まれたという点です。先生は中学生にもわかりやすく説明していますが、けして「レベルを落として」説明したり、「上から押し付けるように」教えたりしていません。非常に丁寧に基本から積み上げていくように講義を進めています。

 最初の講義が「なぜ宗教が必要なのだろうか?」という問いから始まっているところも、さすがに哲学者だと思いました。この本は青少年ばかりでなく、大人にも、すでに仏教徒になっている人々にも、そして僧侶にも多くのことを学ばせてくれるものだと思います。

 また、宗教用語、仏教用語、人名などに丁寧にルビがふってあるのも、ありがたいですね。

◎今日の写真はカナダ・バンクーバー市のクィーン・エリザベス公園です。