慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

明け方の柔らかな風が嬉しい

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 夜明けが早くなって、朝起きるのが楽になってきました。今朝、本堂の扉を開けたら、柔らかで温もりのある風がそよそよと吹いてきました。遅咲きの紅梅もつぼみがふっくらしてきたのが目に入ってきました。嬉しい・・・・

 私は慈雲寺に赴任する前、40ねん近くカナダに住んでいました。「カナダは寒いでしょう?」と良く聞かれますが、私が住んでいた西海岸は日本から流れてくる暖流のおかげで、気温はそれほど下がりません。しかも、どこの家もセントラルヒーティングですから、冬の間も家の隅々まで温かです。

 日本へ戻ってきて、嬉しいことの方が多いですが、このセントラルヒーティングだけは「ホームシック」状態。冬の夜中に目が覚めて、お手洗いに行きたくなる時の哀しさは、「カナダへ帰りたい~!」と泣けてくるほど。

 いや、僧侶は暑い寒いで騒ぐべきではないですね・・・

 これからしばらくの間は、夜明けの風に体を縮こませることもなく、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込めそうです。

 仏教では、「過ぎ去った時のことは思い煩うな。まだ来ない未来のことで心を騒がせるな。ただひたすら今に集中せよ」と教えています。春がくれば、すぐむし暑い夏がくるなぁ・・・などと思い煩っていると、今日の梅の花の美しさ、風の心地よさを見失ってしまいます。

 今日は一日、今咲いている花の美しさをたっぷり楽しみたいと思います。

◎今日の写真は、慈雲寺の枝垂れ梅です。そろそろ終わりになりそう。慈雲寺の梅は、蝋梅から始まって、順番に次々咲いてくれるので、ゆったりと楽しめます。どうぞ、梅見においでください。