慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

三蔵法師とザビエル

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 先日から平岩弓枝が翻訳(翻案??)した『西遊記』を読んでいます。私は『西遊記』が好きなので、今までいろいろなバージョンを読んできましたが、平岩版は読みやすくて、しかも三蔵法師の心の動きが細かく伝わってきて面白い!さっそくAmazonで全巻ゲット。電車やバスの中で読もうと、いつもお出かけ用のカバンに入れています。

 実は、私には悪いくせがあって、面白い本は集中して読み切るのがもったいない気持ちになってしまうのです。面白ければ面白いほど、他の本に手をだして寄り道したくなる。単に集中力に欠けるせいなのか、子供っぽい「面白いことはできるだけ長く」の気持ちなのかわかりませんが・・・・

 というわけで、『西遊記』は読み続けているのですが、今回も寄り道。古川薫の『ザビエルの謎』に寄り道を始めました。これはテレビ番組の取材で、ザビエルの日本布教から、彼の死にまつわる謎を追った著者のエッセイです。ザビエル、そして彼の属していたイエズス会の東洋布教については、以前からとても興味がありました。インドのゴアに仕事で行ったときも、ザビエルの遺体が安置されている教会にも行きました。

 イエズス会がなぜ、あれほど熱心にアジアに布教したかったのか?ザビエルはどうして短期間の間に日本人信者を多数獲得できたのか・・・同じ「布教」をする身としては強く興味を惹かれます。あ、ザビエルと私を「同じ」なんて言ったら図々しすぎますけど・・・・

 異教徒との出会いも、三蔵法師玄奘とザビエルとは大きく違います。もちろん、『西遊記』の中の三蔵はフィクションですけれど。なんとなく、二人のことを並べて考えていると面白い。

 無茶苦茶な寄り道読書も、時には良いことがあるようです。

◎今日の写真は、国宝の「飛青磁花入」です。大阪市立東洋陶磁美術館に所蔵されています。鉄分が青磁の表面に小さな雲のような模様を浮き上がらせています。綺麗!