少し間が開いてしまいましたが、「遺骨が祟る???Part1」の続きです。この記事の右側に「最新記事」という欄がありますので、そこでPart1をお読みいただければ幸いです。
先日、夫の遺骨を自宅で供養していたAさんが、知人から「いつまでも遺骨を自宅に置いておくと祟るよ。」と脅されて、慈雲寺に相談に見えた時のお話しでした。
「御遺骨が祟る」なんてことはありえません。ただ、いつまでも遺骨をそのまま自宅に置いておくというのも、おすすめできることではありません。では、いつがベストなのでしょうか?
宗派によっては、「三十五日」の法要の時を勧めています。しかし、私はこれでは早すぎるのではと思います。一か月では、葬儀の後始末、会葬のお礼などなど、さまざまな手続きや手配に気を配らなくてはいけません。落ち着かないうちに、納骨するのは気持ちが追い付かないのではと思います。
四十九日の法要と納骨を一緒にするというご家庭が多いようですが、それも私は早いと思います。参列者も多いので、真夏や極寒期など、気候によっては墓前での読経や焼香が難しい場合もあるでしょう。
最初のおすすめは、百か日の法要の後です。百か日の法要には参加なさるのも、ごく身近な方々という場合が多いので、落ち着いて納骨できると思います。
その次のきっかけになるのは一周忌ですね。
じつは、こうした「きっかけ」はあくまでもきっかけに過ぎません。一番良いのは、「お墓に納めてあげよう。」と素直な気持ちがわいてきたときです。別に法事にこだわる必要はなく、「明日、納骨の供養をしていただけますか?」と菩提寺に連絡をしてもかまわないと思います。もちろん、ほとんどのお寺は、慈雲寺のように暇ではないでしょうから、「明日は予定がいっぱいです。」と言われる可能性もありますが・・・
慈雲寺にお墓を持っていらっしゃるTさんの場合、一周忌が過ぎても納骨する気持ちになれなかったのですが、ある朝、仏壇にお茶やごはんをお供えして、ふと見ると、骨壺を包んでいる布がうっすらと汚れているのに気が付いたそうです。Tさんは、すぐに子供たちに連絡し、翌週の日曜に納骨されました。
仏教では、何かの「もの」に執着するのは苦しみのもとだと教えています。御遺骨は、亡くなられた方の肉体の最後の一部ですから、それに拘る気持ちが起きるのは当然のことです。しかし、いつまでも手元に置いておくのは執着に他なりません。
私のおすすめは、三回忌をいちおうの「期限」と考えることです。
もし、どうしても「手放したくない」という気持ちが強いなら、今は、「手元供養」用のものがたくさん考えられています。お骨の小さな一片や骨粉を入れることができるペンダントのようなケースから、骨粉を圧縮して人工ダイヤを造るということまでできます。Amazonで「手元供養」で検索すればたくさん出てきます。多くはペットの遺骨の供養用なので、違和感があるかもしれませんが・・・・
◎今日の写真は、先日東京のビックサイトで行われたエンディング産業展に出展していた「ソウル・ジュエリー」のお店です。遺骨を入れるジュエリーを販売していました。賛否両論あるでしょうが、一つの解決策ではあると思いました。