慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「自殺予防週間」の始まりの日に

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 今日、9月10日は「世界自殺予防デー」です。16日までの一週間は「自殺予防週間」として、自殺を予防するためのさまざまな取り組みについて、より多くの人に知ってもらうための活動が世界各地で行われます。

 この世界自殺予防デーは、2003年に世界保健機関(WHO)が中心となって行われた国際会議で決められたものです。世界の自殺者の数は年間約100万人。ゆるやかなカーブで推移しているものの、年々数は増えています。40秒に一人は自ら命を絶っていることになります。

 そして、その20倍以上の自殺未遂者がいると推測されています。

 日本では、約3万人の自殺者が毎年報告されています。この膨大な人数を思うたび、端くれとはいえ、宗教者として生きている私は深い敗北感に襲われます。

 WTOは自殺の予防手段として、各国政府に以下のような取り組みをするように求めています。

 

■自殺の道具(農薬、薬物、銃など)に簡単にアクセスできないようにする。

精神疾患(特に
うつ病アルコール依存症統合失調症)患者の治療に取り組む。

■自殺未遂を起こした人の経過を追跡調査する。

■メディアは責任のある報道を行う。

■医療従事者を訓練する。

 

 この中に、「宗教」や「宗教者」に関する指摘はありません。WTOの立場としては、「宗教者よ、もっとできることがあるだろう?!」とは言えないのかもしれませんが・・・宗教者に対する期待がないのは、とても残念に思えます。

 心は重い日は、慈雲寺に行って、ボンヤリしよう。阿弥陀様のそばでゆっくりしよう。慈雲寺の庵主さんとちょっとお茶のんで話をしよう・・・と思っていただけるお寺、僧侶でありたいと願っているのですが、まだまだ模索中です。

 慈雲寺の本堂は日中、いつでも開いています。お茶も用意してありますので、どなたでもご自由に、阿弥陀仏のおそばでユッタリ過ごして下さいませ。私は指導も説教も、答えをお教えすることもできないかもしれませんが、あなたのお話しを聴かせていただくことはできます。一度自分で言葉にすれば、光が見えてくることもありますから・・・

 

◎今日の写真は、カナダのバンクーバー島の月夜です。