慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

秋は「満月写経の会」の会がより楽しい

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 慈雲寺では、毎月満月の夜にお月見を兼ねて写経・写仏の会を催しています。10月は25日が満月でした。綺麗に晴れた空に大きなお月さま。

 写経には7人の方が参加して下さいました。秋はお月さまも、より美しく見えるし、暑くなく、寒くなく、写経にもってこいの季節ですね。

 慈雲寺の写経・写仏は、おそらく他のお寺にはあまりない雰囲気です。走り回る子供もいるし、数行写しただけで、お月見に縁側へ出ていく人、お茶とお菓子でのんびりする人、いろいろです。一応、7時半から『般若心経』の読誦を始めるのですが、そのずっと前にいらして、一人で静かに写経なさる方もいます。

 もちろん、お経はお釈迦さまの仏語ですから、一文字一文字で深い智慧があり、意味があります。本来なら、一文字するごとに三拝し、気持ちをグッと集中させて一気に書き写していくべきでしょう。

 しかし、私は写経が”苦行”になってはいけないのではと思っています。お釈迦さまの慈悲に満ちた言葉をゆっくりと聴かせていただく・・・という気持ちではいけないでしょうか?

 仏語を書き写しながら、自分の気持ちに素直になって、「よし、今日はここまで」と思うところでやめて良いと思います。

 子供の足音がうるさいと思ったら、しばらく筆を止めてもよい。足音にイライラす自分と向き合うきっかけにしても良いでしょう。

 『般若心経』は、こだわらない心、広い、柔らかな心について語っているのだという解釈もあります。そうかもしれません・・・

 もし、一人で集中なさりたいなら、写経の会の日以外の時に慈雲寺の本堂においでになってみてください。いつでも写経をしていただけるように、用意がしてあります。庫裏にお声がけ下されば、写経の手順などについてお話しさせていただきます。

 11月の満月は23日です。ぜひお気軽に「満月写経の会」にご参加ください。