部屋の掃除をして、新聞を整理していたら英語教室の宣伝フライヤーが出てきました。「2019年から英語・英会話の新カリキュラムが始まります!」という大きな字が目に入ってきます。
宣伝コピーは「”21世紀のスキル”の養成」とか「思考力や創造力を育む教育」など、なかなか刺激的で巧みな言葉が並んでいます。
このブログでも何回も書いていますが、私は英語の通訳や翻訳を生業としていて時代もありますから、英語のスキルを持つことができたのはありがたいことだと思っています。しかし、外国語の習得に一番必要なのは、母国語の能力だと私は信じています。
母国語の語彙が豊富で、表現力が豊かなこと、知的な好奇心とそれを育む読書力、これらがそろってこそ、外国語の習得が思考力を刺激し、イマジネーションを広げ、創造にもつながっていくのでしょう。
自分の中に何も中身のない人間が、いくら英会話を習っても、創造力につながるわけはないでしょう。母国語は文化。外国語は道具です。道具を上手に使えば、思考力も創造力も刺激されるかもしれないし、可能性も広がるかもしれない。
でも、話す中身のない人間に何を話せというのでしょうか?小学生に英語の歌を無理やり歌わせる暇があったら、日本語での読書の楽しさ、作文や俳句の面白さを教えた方が良いと思います。
英語教室に行かせる時間があったら、一緒に本屋さんや図書館に行ってみてはどうでしょう?
と、ここまでは子供向けのメッセージ。
反対に、大人の方にとっては、外国語の修得は脳の刺激!文法などあまり気にしないで気軽に英会話を楽しんでみませんか?慈雲寺では毎週、土・日の朝7時半から英会話の早起き会を行っています。無料です。
◎今日の写真は伊豆のホテルの歴史資料館で見た「唐人お吉」こと、斎藤吉の写真です。お吉は、なんと知多半島の内海の生まれでした。お吉は、ハリスとどうやってコミュニケーションを取っていたのでしょうか?お吉の最後は悲惨なものだったと伝えられていますが、ハリスとは温かい心の交流があったことを願わずにはいられません。