慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

持戒 (お彼岸の期間中は「六波羅蜜」について考えてみましょう。Part3)

 

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  大乗仏教仏教徒として生きる人々の、日常生活における実践を大きく六つの徳目に分けたのが「六波羅蜜」です。

 その二番目に挙げられているのが「持戒」(シーラ)です。これは仏教徒としての生活習慣を意味します。悟りへの修行を続ける上での善き習慣と言って良いでしょう。

 キリスト教でいう「十戒」とは、同じ「戒」という言葉が使われていても根本的に違うものです。

 大乗仏教における「戒」にはさまざまな種類があり、対象によって異なります。出家した僧侶がまもるべき「二百五十戒」、尼僧はさらに多く「三百四十八戒」!などというものもありますが、もっとも基本となるのは、三聚浄戒(さんじゅじょうかい)です。

 「悪いことをやめる。良いことをする。他の人のために自分ができることをさせてもらう」

 この三つを生活習慣の基盤として生きていくことによって、より穏やかで、苦しみの少ない暮らしを送ることができるのです。とはいっても、末法の時代に生きる凡夫である私たちは、そう簡単にはいかないかもしれません。

 しかし、そんなときこそ、私たちが例外なく「阿弥陀仏に願われている身の上」であることを思い出してください。お彼岸の期間中は、お墓参りだけではなく、ぜひお寺の本堂にお参りして、やさしい仏さまのお顔をゆっくりと拝ませていただきましょう。

◎今日の写真は、神戸でみた鳥かごです。仏教の「戒」は、私たちの行動を規制する「檻」ではなく、私たちの心をこだわりの少ない軽やかなものにしてくれるものです。