慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

荒子観音寺へ円空仏を拝みに行く

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 円空は、日本各地を遊行しなから木っ端に仏を彫り続けました。生涯に10万体以上の木像を彫ったと言われていますが、現在までに、およそ5000体が確認されています。そのうちの約四分の1が、名古屋市中川区にある荒子観音寺に収められています。

 円空仏は、各地の博物館や展覧会などで、いくつか見たことがありました。年末にも龍谷ミュージアムで数点見る機会があったばかりです。展示されていれば、「ああ、いいなぁ。なんだかありがたい仏のお姿だなぁ」と眺めていたのですが、特別深い関心をもっていたわけではありません。

 しかし、先日、友人に誘われて観音寺へ行くことになりました。お恥ずかしい話ですが、その時まで観音寺の存在すら知りませんでした。(私は東海地方、名古屋市内の寺院ですら、ほとんど何も知らないのですが・・・)

 一番驚き、心が揺さぶられたのは、観音寺の山門の中に立っていた阿・吽の仁王像です。私はなんとなく、円空は大きな仏像は彫っていないように思っていたのですが、この仁王さまは大きい!3メートルを超えています。

 正面にアクリルの板が張られているので、光の関係で表情を見るのはとても難しかったのですが、今まで見た、どの仁王様より素晴らしいと思いました。シンプルで力強く、頼りがいのあるお姿です。

 写真に撮れたのは腰のあたりだけだったのですが、握りこぶしから何とも言えない温かみが伝わってきます。円空は一人でこれを彫ったのでしょうか?材料の大木は誰が用意したのでしょう?完成したときの村人の思いはどんなだったでしょうか?

 いろいろなことが浮かんできて楽しいひと時でした。それにしてもアクリルが邪魔だった!

 なお、毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、観音寺が所蔵する1000体以上の円空仏を拝観することができます。