慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

こんな時だからこそ、仏教を学んでみましょう。 part5 釈迦の出家の動機(その1)

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 藤の花が咲き始めました。私はこの花が大好きで、名古屋周辺の藤の名所を訪ねるのを楽しみにしているのですが、ここ数年はタイミングを逸してしまっていました。今年も「名所」を訪ねるのは無理なようですね・・・・

 このところ、カナダ、台湾、シンガポール、上海の友人から、「今の暮らしはこんな感じ」というメールを次々と受け取っています。幸い、私の知人、友人、そしてその人たちに縁が深い人たちは新型肺炎に罹患した人はいないようですが・・・もはや、時間の問題かと思います。

 その友人たちのメールを読むと、日本とくらべて政府や自治体の行動はどこも「素早く」、「現実的」で、「信頼」に値するものに思えます(上海はちょっと別ですが・・・)。もちろん、すべての政策が的を射ているわけではないようですが。

 それに比べて日本の政府や政治家、官僚の動きを見ていると、不信感でいっぱいになります。新型肺炎の「禍」に隠れて、もっと議論が必要な法案をこそこそ通そうとしたり、政府の不正を隠蔽しようとしたり・・・・自民党の独走をゆるしてきたのは選挙民である私たち。そのつけを今、激しい痛みとともに払わされているのかもしれません。

 

 さて、お釈迦様の生涯を改めて学んでみましょう。釈迦な何を悟ったのかを考える前に、彼の出家の動機に戻ってみましょう。

 『本生経』(ほんじょうきょう)には、修行に入られる前の釈迦の暮らしについて、くわしく述べられています。

 釈迦が生まれたとき、8人の占相術師が宮殿に呼ばれました。釈迦の姿を見た占相師のうち7人は「もし俗世にとどまるなら、正義によって国々を治め、世界を支配する転輪王となるでしょう。もし出家すれば仏となるでしょう」と予言しました。さらに最後の一人は「この方は必ず出家し、尊い仏となって、人々を苦しみと悩みの海から救い出してくれるでしょう」と断言しました。

 それを聞いた釈迦の父は、出家だけは何としても阻止しなければと考え、出家の動機となりそうなことを一切排除するよう家臣に命じました。

 釈迦は、しおれた花やかれた枝も目に触れることのないように、細心の注意をはらって、この世の苦しみ、醜さ、哀しみから遠ざかる暮らしをしてきました。

 しかし、聡明な釈迦は美しい花や美女に囲まれていても、朝霧が草花の上に作った露が消えてしまうことや、蜘蛛の巣などを目に触れるたびに、少しずつ「避けて通ることのできない命の苦しみ、哀しみを感じるようになってきたのです。(つづく)