慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「形あるものは必ず壊れる」・・・淡路島の世界平和観音の廃墟 Part1

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上の写真は、淡路島にある(あったと言うべきか?)世界平和観音です。100mもあるという巨大な観音像は、ビジネスホテルやオフィスビルなどを経営していた奥内豊吉という人が、1977年、個人で建立したものです。「観音」とは名付けられていますが、宗教法人だったわけではなく、「観光施設」というか、内部は奥内氏の個人コレクションの博物館のようなものだったようです。

 1988年に奥内氏が亡くなり、その意思を継いだ妻も亡くなると、遺族は観音さまの相続を放棄。2006年に施設は閉鎖されて、それ以来静かに崩壊し続けています。

 外壁のコンクリートが崩落するなど、周辺の住民からの不安を受け、今年から二年がかりに解体されることが決まりました。解体だけで5億以上かかるだろうと言われています。

 私は、二年前に淡路島の取材に行ったときに、この観音様のすぐ横を通り、あまりに驚いたので「ちょっと止まってください」という言葉も出ませんでした。以来、どうしても近くでゆっくり眺めてみたいと思ったのですが、最近、所用で淡路島に行くことになり、念願の観音様に出会いました。

 この観音様のスタイル、表情、なんともユニークです。これは誰の意匠なのでしょうか?豊吉さんのお好み?

 いったいどんな気持ちで「世界一巨大な」観音様を建てようと思ったのでしょうか?

 

 形あるものは必ず壊れるとお釈迦様は教えています。『阿含経』には「壊れる(変化する)ゆえに色と呼ばれる」と記されています。 (つづく)

                                  (つづく)