今日は、ミネルバ書房から新しく出た『知っておきたい日本の宗教』という本をご紹介します。身近な話題から、現代の宗教事情全般を把握するための良ききっかけとなる本だと思います。
執筆者の一人岩田文昭先生は、私と同じ浄土宗西山派(西山浄土宗)に属する僧侶で、『證空辞典』の出版の時に一緒に働いた方です。ヨーロッパで研究なさった経験もあり、柔軟で偏らない、しかも、とても明快にお話になる方なので、ご一緒に仕事ができたことをとても嬉しく思っていました。
その岩田先生からいただいたこの本、毎日少しずつ読んでいったのですが、毎月慈雲寺で行っている「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマに取り上げたいような話題が満載!
もくじを見ても「日本人は無宗教なのか」というタイトルの第一章をはじめとして、「日本では終活が盛んときいたが」とか「日本人は戦死者をどのように追悼してきたのか」、「イスラム教徒用のレストランはあるのか」など、各章それぞれに好奇心を心地よく刺激してくれる話題が並んでいます。「日本の宗教は苦しむ人をたすけているか」などといったなかなか挑戦的なものもあります。
もしかしたら、この本は大学の宗教学などの教科書として使われることを前提としているのかもしれませんが、幅広い年齢の方におすすめしたいです。
各章ごとに、それぞれのテーマの入門書、そしてもう少し深く研究したい人向けの本が紹介されています。今どきだなぁ・・・と思ったのは、グーグルやYouTubeの検索キーワードが示されている章があること。ネット検索のコツを覚えることは、これからの勉強に欠かせないと言われているので、これはとても親切・・・なのかなぁ?
図書館に出向いて、本を探しながら、関連した本や別の話題に出会う幸せも味わってほしいものですが・・・・