朝起きるとき、着替えながらテレビのニュース番組を見ます。ニュースはもちろんですが、私はコマーシャルも気になります。CMは対象者を絞って放送しているでしょうから、その番組を見てる人がどんな人なのかを研究しているはずです。
今朝気になったのは、金融会社のCM。買い物途中と思われる男性が、服を選んでいるのですが、二着のうち、どちらにしようか迷っている様子・・・お金が足りないようです。そこで場面がショッピングセンターから、湖を見下ろす美しい自然の風景に変わり、「お金が足りなければ、借りれば良いじゃないか!」というメッセージが、なんとも素敵(???)なイメージで伝えられます。
お金が足りないことで迷うなら、気軽に(!)借金して手に入れれば、悩みは一挙に解決して幸せ・・・・
なんだか、この妙なさわやかさと、「迷ったらお手軽キャッシング」のメッセージがすごく違和感があるのですが・・・このCMを見て、「よし!今度迷ったら、すぐに借りて、すっきり爽やか」と思う人がどれだけいるのでしょうか?
場合によってはお金を借り、それを生かすことで状況が変わることはあるでしょう。借金がいつも悪いわけではありません。しかし、洋服選びで迷ったときに借金というのはどうなのかなぁ?
気軽に借金できるとか、クレジットカードのリボ払いとか、一回足を踏み入れたら、爽やかな湖は一挙に泥沼に変化していきかねません。
「欲しい!」という欲望は限りがないからです。
仏教では「足るを知る」・・・知足というものを大切に考えます。欲望に翻弄され、いつも「まだ足りない、まだ足りない」という心が私たちを苦しめているからです。
気軽なキャッシング・・・のイメージを抱えて朝の第一歩を踏み出すのは最悪の一日の始まりでしょう。