今日は彼岸の入りです。朝からお墓参りにおいでになるご家族が次々と・・・おはぎや彼岸団子をお供えして下さるかたもいらして、「こちらは庵主さんの分!」と嬉しいサプライズもありました。
数日前、所用で豊田市に出かけたとき、香嵐渓で一休みしたのですが、川岸のところどころに彼岸花が咲いていました。毎年、お彼岸のときに花盛りになるから不思議ですね。
「お彼岸」は、春分と秋分の日を中心に前後3日ずつ、7日間続く宗教行事です。実は、お彼岸は日本独自のもので、聖徳太子の時代から続いていると考えられています。
この世(此岸)から極楽(彼岸)へ渡るための心構えや修行について改めて考え、少しでも実行していこうと決意する大切な一週間です。
春分と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈んでいきます。極楽は西方にあると経典には説かれていますから、沈む太陽を眺めて「お浄土」を想像したのでしょう。
この太陽の特別な動きは、世界のさまざまな文化や宗教で特別視されてきました。エジプトでは、この日だけ神殿の奥まで太陽の光が届くように設計されているものがありますし、ケルト族の人々はメイボンと呼ばれる収穫祭を祝っていました。
お墓参りにお出かけになる方は、ぜひお寺の本堂でご本尊にもお参りなさってください。
極楽へ続く白い道の両側には紅蓮の炎と逆巻く波が押し寄せています。その道は一見頼りなさそうな細い道ですが、お釈迦様のお勧めにしたがって歩き出せば、阿弥陀様が必ず迎えとってくださいます。安心して歩いていきましょう。