僧侶は乞食(こつじき)と呼ばれるほど、毎朝托鉢に出て、お供えをしていただいた食物を食べるのが本来の暮らし方です。「お仏飯をいただいて生きる」、つまり仏様にお供えされたもののお下がりで生きていくのが僧侶の理想なのです。
今でもタイなど南伝仏教の影響の強い地域の僧侶は「お金」に触ることを避けるのが原則です。ま、そうは言ってもクレジットカードを使ったりしているお坊さんもいるとかいないとか・・・
私もご近所のスーパーや農協の朝市などでお金を使って買い物をしているので、僧侶としては理想的な生活とは言えないのですが、できるだけお供えを無駄にしないように暮らしていくことを心がけています。
慈雲寺のある桶狭間周辺は、名古屋市内であるにもかかわらず、あちこちに農地が残っています。農業だけで生活している方は少ないでしょうが、自宅の庭や空き地などでせっせと野菜を育てているお年寄りはたくさんいらっしゃいます。
そういった方々が、「今年できたものの初物はお寺へ」とか「特にできの良いものは仏様にお供えさせてもらう」という気持ちを持ち続けていらっしゃるので、慈雲寺にもときどき野菜や果物のお供えがあります。
うれしい!そしてとてもありがたい。野菜の値段が高騰している今は、特にありがたいです。
今日はずっしりと重い白菜と、みずみずしい大根をお供えしていただきました。今朝畑から収穫してきたばかり。食べ頃になるまで畑で育てられているので、即!食べるとスーパーなどにきれいに並べられている野菜とは比べものにならないおいしさです。
今夜はこの冬初めてのみぞれ鍋にしましょうか。私は大根の葉が大好きなので、どうやって食べるか考えるとわくわくです。
昨日は、これも食べ頃になるまで枝にしっかりついていたレモンをいただきましたので、贅沢にレモンポン酢かなぁ???
あ、お坊さんが食べ物に執着してはだめかしらん?
田舎の小さなお寺の住職暮らし・・・なかなか味わいのあるものです。