慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

12月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、12月18日10時より行います。テーマは「鎌倉仏教入門 Part 1」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加下さい。

祠堂供養のおすすめ Part 2  故郷のお墓をどうすればよいでしょう。

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石山寺で出会った、可愛らしい大黒様

 

 このところ、お墓についてのご相談で慈雲寺を訪ねて下さる方が増えました。

 墓地については菩提寺の御住職とご相談になるのがベストですが、「菩提寺とは縁が切れてしまった」とか、「あまりにも基本的な質問なので、菩提寺の和尚さんに相談しにくい」など、いろいろと困っておいでのようです。

 私のようなぼんくら僧侶では、なかなか「これ!」というお答えは見つけられないかもしれませんが、お話している間に答えが見えてくることもあるのです。

 

 さて、先日おいで下さった方は、「故郷の菩提寺にお墓はあるのだけれど、自分は名古屋に出てきて何十年もたっている。自分は長男で、お墓を守る責任を感じているが、故郷は遠く、なかなかお参りに行けない。故郷のお墓を整理して、名古屋にお墓か納骨堂などを探したほうが良いでしょうか?」という質問でした。

 

 私は「故郷のお墓」は、できればそのままにした方が良いのではと思っています。お墓は自分のルーツを示すものとしての役割も大きいからです。

 私の父は広島の山奥の出身で、曾祖父母からのお墓もそこにあります。曾祖父の本家、曾祖母の実家のお墓も近くにあり、菩提寺にお参りに行けば、少なくとも数百年の自分のご先祖と出会えることになります。

 名古屋から、その町へ行くのはなかなか大変ですが、お参りに行くたびに、不思議な安心感に包まれます。祖先に願われている自分を感じるからかもしれません。

 この町から東京へ出てきた父の思いにも触れることができるような気がするし・・・

 

 実は、大叔父は曾祖父や自分の兄弟(私の祖父など)のお骨を分骨し、東京の霊園にお墓を建てています。ですから、東京の墓地へは時々お参りに行くのですが、やはり父の生まれ故郷のお墓は特別な思いがあります。

 

 故郷のお墓を維持していくのは、時間的にも経済的にも確かに負担は大きいかもしれませんが、菩提寺の御住職などとご相談になり、維持していく方法を模索してみてはいかがでしょう?お墓の掃除や雑草取りなどを受けて下さる方を紹介して下さるかもしれません。また、墓地での定期的な読経をご住職にお願いすることもできるでしょう。

 

 これから、社会はどんどん流動的になり、住む場所、働く場所も変化が激しくなっていくのではないでしょうか?そんなときだからこそ、自分のルーツを示すお墓が残っているというのは、時として大きな力の源になると思います。

 

 それでも、なかなかお参りができないことが気になるのなら、前回のブログでもお話したように、自分の現在のお住まいの近くでご縁ができたお寺に、新に作ったお位牌をおさめ、祠堂供養をお願いしてみてはどうでしょう?

 引っ越さなければならなくなったら、祠堂供養にあげていたお位牌を引き取って移転しても良いですし、引っ越し先のお寺でまた新にお位牌を納めても良いでしょう。

 

 ご近所に「いきつけのお寺」があると、さまざまな面で心が安らぎます。

 慈雲寺でも祠堂供養のお手伝いをさせていただけますので、お気軽にご相談ください。