慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今週は「週刊ポスト」がおもしろい!

 

新緑が美しい犬山城。水に映った逆さ城も印象的でした。

 

 先日、新聞の広告を見て思わず買ってしまったのが、今週号(5月20日号)の週刊ポスト。トップ記事の一つが「日本を支配する10大新宗教 カネと実力」というタイトルの特集でした。

 創価学会を始め、新宗教の中で信者数や集金力(?)で群を抜く教団の、最近の信者数の推移や政治との関わり方、メディアの利用状況などこまかく分析しています。

 私は比較宗教学を少しかじったので、新宗教の動向や教えにはとても興味があり、関連の本なども読んでいたのですが、記事の中で信者数の推移や資金力について述べた部分は「知らんかった!」と驚くことも多く、興味深い記事でした。

 

 特集の中には、各教団へ週刊ポストから送られたアンケートの回答が載せられていました。質問事項は、「岸田政権を支持するか?」から始まり、ウクライナ問題やコロナのワクチン問題など、なかなか面白いものでした。

 生長の家PL教団のように「アンケート回答辞退」という態度は、まぁ仕方がないだろうとは思いますが、真如苑の「ご信徒お一人おひとりの思想・信条の自由を尊重しており、教団としてはお答えする立場にございません」という”無難”過ぎる回答はなんだか変。

 もちろん、信者の思想・信条を教団が強制することはあってはならないですが、信者の思想・信条の基盤となるのは、自分の信仰なのではないでしょうか?そうだとすれば、教義に沿った教団の考え方を表明せず、全部「信徒の考えしだい」というのはどうかなぁ?

 もちろん、信者には教団の方針は伝えるけれど、週刊誌などには言わん・・・というなら仕方ないですが。

 

 この点、「お!」と思ったのは立正佼成会の回答。ウクライナ問題に関連して、日本の防衛力強化の議論が出てきていることに対する回答は防衛力の強化と言っても、いろいろな方向性があると指摘、「防衛力強化の方向性が、新たな恨みの連鎖を生むことにならないよう、望んでいます。」と結んでいます。

 最後の言葉は、「恨みに恨みで応じてはならない」という仏教の基本的な考え方に基づいたものと思われ、信者へのメッセージとしても意義のある回答だと思いました。

 

 少し意外だったのは、幸福の科学。選挙のときなどは「国防強化」を声高に言っている人たちという印象があったのですが、ウクライナ問題に関する回答では、「防弾チョッキまで送った段階で『軍事協力』を意味し、踏み込みすぎであり、『ウクライナ中立化』向けた外交努力をすべきであると考えます」という、しごく真っ当なお答え。回答も一番論理的(私がそれに賛成するかしないかは別として)でした。

 教団内にきちんとしたメディア対策の人たちがいるのでしょう。

 

 久しぶりに買った週刊誌。510円の価値があったかどうかは疑問ですが、面白かったのは確か。おすすめです。